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町田樹のスポーツアカデミア 【Dialogue:研究者、スポーツを斬る】 ~女性アスリート問題~ 東京大学医学部付属病院 能瀬さやか先生:月経
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部M:月経痛などで悩んでいるのであれば、一度は試した方がいいアプローチなんですかね。
N:産婦人科医の立場からすると、月経困難症が頻繁にある選手は、将来的に子宮内膜症という不妊の原因になったりする病気のリスクが高いことが言われています。低用量ピルというのは、子宮内膜症の治療としても使ったりします。ですので、月経痛で競技に影響が出ている場合は治療を勧めますし、アスリートでない一般の方でも、月経痛が強ければ病気の予防といった点でも私たちは勧めます。ただ、選択は本人たちが行うべきだと思います。
10代に正しい知識を伝えていくことが重要
私たちは無月経や低用量ピルなんかの問題を啓発してきていますが、一番の課題は、学校教育などできちんとした医学的知識を持っていないということだと感じています。これは女性の身体を知るだけではなくて、男女含めて、女性の身体も男性の身体も知る、あとは月経教育だけではなくて、栄養の教育なんかもヘルスケア教育のような形で、10代のうちから正しい知識を習得しておかないと、今のような問題が起こってしまうんじゃないかなと思っています。色々な指導者の方に講習会をさせていただくと、男性指導者の方も熱心に聞いてくださいますが、はじめて聞きましたという方が多いです。これまでそういった情報を得る機会が無かったことが問題ですし、これはアスリートだけの問題ではなくて、全ての女性につながる問題です。男性も女性も含めたきちとした知識を10代のうちから教育するシステムがないと変わっていかなんじゃないかなと思います。
文:J SPORTS編集部
J SPORTS 編集部
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