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【レビュー:全米フィギュアスケート選手権2021 女子シングル】ブレイディ・テネルが3年ぶり2度目の全米女王「この大会への準備にすべてを注ぎ、自信を深めました」
フィギュアスケートレポート by J SPORTS 編集部144.50ptのFSスコアが発表された瞬間に、グレンは思わず口を覆った。たとえ国内選手権とはいえ、パーソナルベスト125.44ptを20点近くも上回る評価だった。
「いまだにショック状態です。もちろん(表彰台に上りたいと)考えていましたが、単なる夢であり、実現するなんて思ってもいませんでした」
こじんまりした表彰式では、笑顔が止まらなかった。1年前に表彰台を目の前にしながらフリーで5位陥落した苦い思い出は、銀色の喜びで上書きされた。
3位 カレン・チェン SP4位70.99 FS3位143.99 トータル214.98
今全米参戦した女子の中では最多となる5度目の表彰台。1年前の復活の4位錫メダルから、2017年全米チャンピオンは、さらにひとつ順位を戻した。
SP、FSともにジャンプのミスがあったものの、スピンやステップの流麗さはさすが。カレンの代名詞とも言える、悠々と流れる大河のような、スケールの大きなスパイラルは思わず拝みたくなるほどの美しさ。特にFSのコレオシークエンスのGOE加点は、参加女子選手の中で最も高い2.3。さらにPCSの楽曲解釈は9.4と、昨季の公式戦記録と比較すると女子トップ級のスコアが与えられた。
「全体的には素晴らしいパフォーマンスができたと感じています。自分が披露できた演技を、本当に嬉しく思います」
大会後にはテネルと並んで、世界選手権代表に選ばれた(補欠は1グレン、2ベル、3シン)。もしも予定通り3月末にストックホルムで開催された場合、チェンにとっては初出場で4位に食い込んだ2017年大会以来、2度目の参戦となる(2018大会は棄権)。
4位 アリサ・リュウ SP2位76.36 FS4位137.03 トータル213.39
たしかに3連覇は果たせなかった。3回転アクセルも4回転も飛ばなかった。それでもアリサ・リュウの演技を見て、多くのファンがほっと胸をなでおろしているに違いない。だって15歳の少女は、着実に、素敵に進化していた!
身長は伸びても均整のとれた肢体と、柔らかくのびやかな雰囲気は変わらない。むしろ持ち前の綺麗なスピンポジションが、よりいっそう氷上で際立った。SP「道」は愛くるしさにあふれ、トレードマークの弾ける笑顔が弾けたが、一方のFS「ストーム」ではドキっとするほど艶のある大人びた表情ものぞかせた。難しい動きの多いステップシークエンスにも挑戦し、きっちりレベル4+誰よりも高いGOE加点を得た。
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