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ラグビー コラム 2026年9月4日

1勝1敗で迎える、最上級のライバル心の激突。南アフリカ、国内バトル最後の第3テストマッチでNZ撃破誓う。

ラグビーレポート by 田村一博
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1勝1敗で迎える3試合目。この試合で負けたら、全4戦のテストマッチシリーズの勝ち越しはなくなる。
第2テストマッチを終えた時点でのワールドランキングは南アフリカが1位でニュージーランドは2位。直近の2試合は、戦いを終えるたびにその順位は入れ替わった。

9月5日にヨハネスブルグ、FNBスタジアムでおこなわれる南アフリカ×ニュージーランドが世界中のラグビーファンから熱視線を注がれる理由はいくらでもある。
戦いの舞台となる巨大スタジアムの収容人員は同国最大の9万4736人とされている。『Rugby’s Greatest Rivalry』のタイトルで組まれた30年ぶりの大ツアーは全8戦も、南アフリカ国内での試合は今回が最後。熱狂は約束されている。

 

第1テストマッチに16-33と敗れたものの、第2テストマッチで33-26と勝利。本来のスタイルを取り戻した南アフリカは、メンバーの継続性を意図したメンバー構成で第3テストマッチに挑む。
ラッシー・エラスムス ヘッドコーチ(以下、HC)も、先発15人の中のメンバー変更は4人だけで、ポジション変更は1人だけとなった。

前戦は14番でプレーし、持ち前のランプレーだけでなく、7つのプレースキック(3コンバージョンキック、4ペナルティキック)をすべて成功させたチェスリン・コルビはFBの位置に立つ。ダミアン・ウィレムセの負傷による変更だ。
14番はカート=リー・アレンゼが背負うことになった。

フロントローには1番からオックス・ンチェ、マルコム・マークス、ウィルコ・ロウと最強の3人が揃って頼もしい。勝負の天秤を傾かせる大きな鍵を握る。
144キャップで同代表史上最多キャッパーのエベン・エツベスは、さらにその記録を伸ばし、5番のルアン・ノルキエは好調さが伝わるパフォーマンスを第1テストマッチから続けている。深い緑のジャージーを着たフロントファイブは、漆黒のジャージーを着た相手に強烈な圧力をかけ続けそうだ。

さらに盤石なバックローがチームを前に出すモメンタムを生みそうだ。シヤ・コリシ主将、ピーターステフ・デュトイヤスパー・ヴィーセの3人が同時に先発するのは17回目で、それは同代表史上最多。安定感あるSHコーバス・ライナーとともに、自由を与えると才能を爆発させるSOサシャ・ファインバーグ=ムンゴメズルの力を引き出しそうだ。

選出した選手たちに信頼を寄せるエラスムスHCは、「テストマッチ2試合を終え、われわれはともに激しいテストマッチモードに入っている。両チームともお互いに相手が何をしてくるのか、かなり分かっている」とし、「今回もまた消耗戦になるだろう」とクロスゲームになることを覚悟している。

「今回の試合は、前の2試合と同じ、あるいはそれ以上に激しいものになるだろう」と話し、「我々は何をしなければならないかは分かっている。そして、両チームにとって冷静さと正確さが極めて重要になる」。
言葉の端々から世界最高レベルの戦いとなる80分が待っていると伝わってくる。

 

対するオールブラックスは、前戦で本来のパフォーマンスを出せなかったHOのコーディー・テイラーが23人外となったように、先の2テストマッチの出来が反映されたメンバー構成となった。
2番のジャージーは、前戦で途中出場からよく働いたアサフォ・アウムアが着る。1番には好調のジョージ・バウアーが入り、強烈な圧力をかけてくるのは間違いない相手スクラムに対抗する。

今シリーズで安定感と爆発力を出し続けているのが4番を任されたトゥポウ・ヴァアイだ。強みのコリジョンの強さをエッジで発揮した時、チームは勢いに乗る。運動量も多く、貢献度は高い。
デイヴ・レニーHCも高いパフォーマンスについて「本当に素晴らしい」と称え、今回の試合が50キャップ目となることに触れ、「彼と家族にとって特別な日になるだろう。我々にとっても、さらなるモチベーションになる」と、節目の試合を勝利で祝福する気満々だ。

NO8のアーディー・サヴェア主将が攻守でチームにインパクトを与えるのは間違いないが、6番にピーター・ラカイが入ったことで、FW第3列のスピードとパンチ力は高まる。ベンチに控えるウォレス・シティティも、素早く、そして強く動き、相手に戸惑いを与えられる選手だ。

キャム・ロイガード、ルーベン・ラヴで組む9番、10番は3テストマッチ連続で、安定感は高まっている。特にロイガードの進化は先へ先へと進んでいる。
CTBジョーディー・バレット、WTBウィル・ジョーダン、FBダミアン・マッケンジーと、要所に安定感と決定力ある選手が揃っているのも心強い。

レニーHCは、決戦を「すべてを懸けた戦いになる」と表現し、緊張感漂う80分について「私たちが大好きな、立ち向かうべき挑戦」とも話している。
敵将のエラスムスHC同様、「試合に向けて1週間準備し、フレッシュな状態。すべてをピッチに出し切ることが待ちきれない」の言葉で、観る者の期待をより膨らませてくれる。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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