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ラグビー コラム 2026年6月26日

春の頂上決戦は天理大×京産大。両軍のパワフル1年生LOを見よ。3位決定戦、関西大×近大も、きっと激しい。

ラグビーレポート by 田村一博
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春の関西王者を決める『関西大学春季トーナメント』は、2016年から始まり、すっかり定着した感がある。2020年はコロナ禍のため中止となり、昨年は節目の10回目だった。

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その間の優勝は京都産業大学が5回で天理大学が4回(ともに両校優勝が2回ある)と、近年の関西の大学シーンは、両校がリードしているとよく分かる。
6月28日(天理親里)に開催される今年の大会でも、黒いジャージーと紺×赤の段柄ジャージーが頂点を争って戦う。

いつものように天理大と京産大が勝ち進んだように見えるトーナメント。しかし今年は、天理大は関西大学に36-31のスコア。前半にリードを得て逃げ切った。
京産大に至っては、準決勝で近畿大学相手に27-26と苦しんだ。それも、前半を10-21とリードされてからの逆転勝ち。後半37分にスコアをひっくり返しての勝利だった。

その結果を踏まえると、14時キックオフの決勝前、11時45分に始まる関西大×近大の3位決定戦も面白そうだ。
関西大では、2回戦の同志社大学戦で2トライを挙げたWTB正田青海、昨年のFBからSOに移った堂免遙生が調子がよさそう(ともに尾道)。近大はBKにU23代表の岸未来(WTB)、太田啓嵩(FB)、セブンズ代表を狙う井上晴嵐らがいて攻撃力が高い。
攻め合う展開が見られるだろう。

ファイナルの天理大×京産大は、毎年、秋のシーズンが深まった頃に重要な試合を戦うだけに互いに勝っておきたい相手だ。新チームになって積み上げてきたものを出し切る試合になる。

天理大の小松節夫監督は今年の戦い方について、「みんなでチームを作っているところ」と話す。
昨季の大黒柱、アーリーエントリーからコベルコ神戸スティーラーズに入って躍動、日本代表にも選ばれた上ノ坊駿介の存在は大きかった。そんな飛び抜けた才能を持つ司令塔がいなくなって、チームは結束力を高めている。

「ゲームコントロールのところや、大黒柱が抜けた点を、みんなで埋めていこうとしています」と指揮官は話す。
期待がかかるのは、10番を引き継いだ中村仁。「パスもうまいし、キックも蹴れる。これまで怪我も多かったのですが、経験を積んでいってほしいですね」(小松監督)。

チームを率いるのは、今回の試合ではFLに入った太安善明主将だ。対戦相手によってHOとFLの両ポジションでプレーしているため難しい面はあるが、信頼あるプレーを見せてチームを束ねている。

頼もしい存在は、ケニア代表の経験もあるLOアンディー・オモローだ。195センチ、127キロのサイズで、強いボールキャリーを見せる。小松監督はプレーそのものへ高い評価を与えるだけでなく、「日本のラグビーに順応しようという姿勢が非常にいいですね。本当に一生懸命やるっていうか、吸収しようという思いが伝わってきます」と話す。

関西のトーナメントだけでなく、帝京大との試合(17-43)や筑波大との定期戦(31-45)を経て、「うまくいっているところと足りないところが見えている」と言う小松監督は、スクラムに手応えを感じ、ラインアウトの整備が遅れていると感じているようだ。
チームは、決勝でそこに注力することが勝利への道と考えている。

対する京産大の廣瀬佳司監督は、春シーズンに見せたチームのパフォーマンスについて、波があると感じている。
セットプレーとディフェンスに重点を置いて過ごしたここ数か月の「集大成を出したい」と勝利を求める。

マニアックなファンは、京産大のスクラムの組み方の変化に気づくかもしれない。伝統的に3番が2番に対してオーバーで組んでいたバインドが、HOが1番にも2番にもオーバーで組むスタイルに変わった。相手やレフリングへの対応力を高めるのが目標だ。
以前のやり方と新しい動きを、この先も続けて、完成に近づけていくつもり。完成形が楽しみだ。

石橋チューカ主将は、ポジティブな姿勢で明るい空気を作り、チームを引き上げている。
今回の試合には、5番にパワフルなルーキー、エドウィン・ランギを入れた。怪我人も少なくないが、復帰した選手たちのエナジーもチームに勢いを与えるだろう。京産大本来のスタイルで勝ちにいく。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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