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ラグビー コラム 2025年7月3日

ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ、レッズに快勝。スーパーラグビーのチームから2試合連続50得点

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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POMのFLジャック・モーガン(ライオンズ)

イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの代表で構成され、4年に1度結成されるドリームチーム「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」。今年は12年ぶりにオーストラリアに遠征中だ。

遠征初戦、ライオンズは6月28日(土)のウエスタン・フォース戦で8トライを挙げて54-7と圧倒。幸先の良いスタートを切った。

ブレスベンに移動したライオンズは7月2日(水)、サンコープ・スタジアムでレッズと激突。12年前の2013年も両チームが同スタジアムで対戦し、ライオンズが22-12で勝利している。

ラグビー ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ2025 オーストラリア遠征

ライオンズのメンバーはSO(スタンドオフ)フィン・ラッセル(スコットランド)以外の14人が替わった。

キャプテンLO(ロック)マロ・イドジェ、ケガから復帰したSH(スクラムハーフ)ジャミソン・ギブソン=パーク(アイルランド)が先発。FB(フルバック)には先発予定だったヒューゴ・キーナンがコンディション不良により、エリオット・デイリー(イングランド)が入った。

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今年のスーパーラグビー5位で、ディフェンスに定評のあるレッズは、FW第1列にオールブラックス経験がある、PR(プロップ)エイダン・ロスと、ジェフリー・トゥーマンガ=アレンの2人、「ワラビーズ」こと、オーストラリア代表のHOマット・フェスラーの3人が先発。

CTB(センター)もハンター・パイサミと、ジョシュ・フロックのワラビーズコンビ、FBはワラビーズ経験もあるキャプテンのジョック・キャンペルが入った。

平日の夜にかかわらず、両チームのファンが集い、スタジアム記録となる4万6435人が見守る中、試合がキックオフされた。試合序盤、ライオンズはFW(フォワード)を中心に圧力をかけたが、レッズはスクラムで反則を得て、ピンチを防いだ。

前半7分、レッズはハーフウェイ左からのスクラムを起点にボールを継続し、CTBパイサミがゲインし、14次攻撃でPRトゥーマンガ=アレンが中央右にねじ込んでトライ。21歳のSOハリー・マクローリン=フィリップスが、ゴールを決めて7点を先制した。

11分、すぐにライオンズも反撃、相手の反則からゴール前でモールを形成したが、モールに入っていたCTBバンディ・アキが押さえることができなかった。その後も、相手のディフェンスの前にゴールラインを割ることができなかった。

それでも19分、再びライオンズはゴール前でモールを形成し、アドバンテージをもらう中、最後は右に展開し、FBデイリーからパスを受けた、WTB(ウィング)トミー・フリーマン(イングランド)が右隅に押さえてトライ。SOラッセルがゴールを決めて、7-7の同点に追いつく。

26分、今度はレッズが相手陣ラインアウトを起点に攻撃し、中央のラックからSHカラニ・トーマスの裏へのグラバーキック、そのボールをCTBフロックが拾い上げて右中間に押さえて、12-7と再びリードした。

ライオンズは29分、相手のペナルティからFW陣がクイックタップで攻め込み、PRアンドリュー・ポーター(アイルランド)が中央にトライを挙げて、14-12と再び逆転。

36分、レッズがスクラムで反則すると、ライオンズがクイックタップで再開し、左にクイックハンズで展開して、最後はWTBドゥハン・ファンデルメルヴァ(スコットランド)が左隅にトライ。ゴールも決まって21-12とリードを広げて、ハーフタイムを迎えた。

ラグビー ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ2025 オーストラリア遠征

後半の序盤は9点リードしていたライオンズのペースとなる。後半5分、スクラムを起点にアタックして、SHギブソン=パークのオフロードパスに、LOイトジェが走り込んでトライ(28-12)。

15分にもスクラムを起点に、ボールを動かしFL(フランカー)ジャック・モーガン(ウェールズ)が右中間にトライ。20分にもフェイズを重ねてWTBフリーマンが2つ目のトライ。

25分には 相手のチップキックをキャッチしたCTBヒュー・ジョーンズ(スコットランド)が、60mを走り切ってトライを挙げ、47-12として勝負を決めた。その後、ホームのレッズは果敢にアタックを仕掛けるが、ライオンズの強固なディフェンスの前に、後半は得点を挙げることができなかった。

ロスタイム、ライオンズはFLモーガンがスティールを決めて、相手陣奥に攻め込む。中央スクラムから途中出場のSOフィン・スミス(イングランド)、CTBガリー・リングローズ(アイルランド)とつないで右隅にトライを決めてノーサイド。

ライオンズが2試合連続50点以上得点を挙げ、52-12で快勝した。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、ライオンズのFLモーガンが選出された。

モーガンは「それぞれの試合がどれだけタフかわかっているし、80分間を通してパフォーマンスを発揮する必要がある。レッズは素晴らしいプレーを見せたが、私たちは1つ1つの試合を積み重ねていくだけ。バックロー全体、そしてチーム全体が、コリジョンを生み出すことができている」と笑顔を見せた。

スーパーラグビーチームに連勝したライオンズのアンディ・ファレルHC(ヘッドコーチ)は、「流れが良くなかった。スタートが少し遅かった。レッズはスタートから、かなりアグレッシブで最初の10分、15分は彼らに支配された。でも落ち着いて良いプレーができた。ディフェンスはかなり良く、後半は彼らをシャットアウトできた」と胸を張った。

キャプテンのLOイドジェは「チームとして今日は一歩前進したいと考えていた。完璧ではなかったが、正しい方向への一歩だった。私たちは冷静で、ボールの扱いが正確だった。ボールを保持した時にまだ多くのミスを犯したが、改善されたと思う」と振り返った。

後半、得点できなかったレッズのレス・キスHCは、「私たちは早い段階で望んでいたことを実行した。ただ、それを継続することができなかった。ライオンズの力は一気に現れるのではなく、徐々に、そして着実に現れてきた」と振り返った。

キャプテンのFBキャンベルも「前半は風があり、それをうまく利用して好調なスタートを切ることができた。ライオンズは、タックルでのボール奪取が非常に良かった」。

「そして、試合が進むにつれ、彼らの守備が一段と強化され、素早いボール回しにも苦戦した。それでもレッズにとって特別な瞬間だったし、素晴らしい経験だった。結果は私たちの思い通りにはいかなかったが、本当に楽しめた」と前を向いた。

オーストラリア到着から、連勝を飾ったライオンズ。7月5日(土)の遠征3試合目は、日本時間の午後7:00からシドニーのアリアンツ・スタジアムでワラタスと対戦する。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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