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ラグビー コラム 2025年6月16日

【ハイライト動画あり】今季も圧巻!帝京大学が強力スクラム&フィジカルで明治大学に重圧。関東大学春季大会2025

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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2度目のV5を狙う帝京大学のスクラムとフィジカルは、今季も強烈だ。

3戦全勝同士の大型バトルとなった関東大学春季大会の「帝京大学×明治大学」。大学勢力図の解像度を上げる注目の一戦で、まずは明大が、序盤のスクラム・バトルを制した。

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帝京大のノットストレートによる前半2分のファーストスクラムで、明大がコラプシングによるペナルティを引き出す。

さらに2度目の敵陣左スクラムでは、自陣でディフェンシブになった相手スクラムをドミネート。ペナルティはなかったものの強烈に押し切った。

 

しかしこの日の明大は敵陣アタックが不調。

序盤に長短キックを多用する戦略を用いたが得点に結びつかない。中盤でチェイスが届かない位置に落ちた前半5分のキックは、カウンターを受けてエリアの後退に繋がった。

一方の帝京大は、このエリアの前進から敵陣ラインアウト。2次攻撃目でこの日再三ラインブレイクしたSO本橋尭也がミスマッチから突破。WTB生田弦己の先制トライが生まれた。(G失敗、5-0)

が、ここから戦況は一進一退で膠着する。

帝京大はラインアウトでのノットストレートが続き、直後のスクラムで反則を犯してしまう悪循環。一方の明大は敵陣隅のモールを押し切れずに被ターンオーバー。前半20分の敵陣攻撃も帝京大FL河村ノエルを筆頭とした守備を崩せず、最後はミスでボールを失った。

と、ここで帝京大が動いた。

前半23分にリザーブのHO梶川尚能を投入したのだ。

すると、ここで防戦気味だったスクラムに変化が起きる。

前半27分の自陣スクラムでは、帝京大がペナルティを誘う。ルーキーPR有賀啓悟、HO梶川尚能、昨年ジャパン選出のPR森山飛翔をフロントローとして、明大の反撃の芽を摘んだ。

スクラムで優勢になると、帝京大の必勝パターンだ。

前半38分には敵陣ゴール前スクラムからワイド展開。アドバンテージをもらった状態でWTB吉田有佑のチーム2本目が生まれ、前半を優勢ムードの12-0で終えた。

関東大学春季交流大会2025 Aグループ(6月15日)

【ハイライト動画】帝京大学 vs. 明治大学

不安定だったスクラム、ラインアウトの応急処置に成功した帝京大は、後半も武器のスクラムが火を噴いた。

帝京大の後半最初のトライは、後半4分のスクラムPKによるターンオーバーからだ。

スクラムから得点チャンスを一瞬で失った明大は、自陣ディフェンスでふたたび相手SO本橋に突破を許す。

ここからオフロードパスを受けたルーキーFB吉田琉生が、185cmの大型WTB吉田有佑に繋げて3本目。確実にスコアする帝京大の遂行力が光った。

一方、敵陣での決定力が課題となった17点ビハインドの明大は、なおもピンチが続く。

失点後のキックオフで失敗、リスタートの中央スクラムでペナルティ。だが、ここで明大の先発SO伊藤龍之介が守備で魅せる。

後半9分に相手10番の落球を誘う守備をみせると、直後にはキャリーした相手15番の懐からボールをもぎ取るビッグプレー。連続得点を許さない。

しかしスクラムを起点としたSO本橋のラインブレイクから1トライを追加され、明大のビハインドは24点に。

なんとか得点したい明大だが、後半20分以降は連携ミスによるハンドリングエラーや、ラインアウトの確保ミスでボールロスト。

最後は帝京大がフォワード攻勢を途中出場の松原結生が締めくくり5本目。31-0がファイナルスコアとなった。

帝京大の勝因は、フィジカル勝負の優勢、そして不安定だったセットピースを前半途中で修正したことだろう。ハーフタイムではなく前半途中に選手主体で安定度を高めた点に、帝京大プレイヤーのコミュニケーション力、考える力を感じた。

唯一の4戦全勝チームとなった帝京大は6月22日(日)、3勝1敗の早稲田大学との最終戦に臨む。舞台は早大の上井草グラウンド(東京)だ。

明大は帝京大とのフィジカル勝負で大きく上回ることができなかった。

セットプレーで優勢だった序盤に、モールなどで獲りきれなかった点も痛かった。セットプレーで膠着しても展開力で得点できる攻撃力を持つが、この日は相手の圧力もあって連係ミスやハンドリングエラーが目立った。

日本一奪還へ向けたレッスンとなった帝京大戦を経て、明大も大会最終戦へ向かう。6月22日(日)の相手は大東文化大学だ。大東大は4連敗中だが、相手の戦績などの表面的な要素に囚われやすいチームはパフォーマンスに波が出やすい。明大としてどうありたいのかが問われる、重要な一戦になるだろう。

文:多羅 正崇

多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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