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ラグビー コラム 2025年6月12日

ノンキャップの選手が16名、ラグビー日本代表が37名のメンバーを発表

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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コンセプトは「超速 AS ONE」

6月12日(木)、16日(月)から宮崎で行われるラグビーの日本代表合宿メンバー37名(FW:20名、BK:17名)と、2025年の日本代表のチームコンセプトが東京都内で発表された。

ラグビー日本代表強化試合

まず、2025年のラグビー日本代表のチームコンセプトは「超速 AS ONE」と発表された。昨季の「超速ラグビー」に「AS ONE」が加えられた形となった。

再び日本代表を率いて2年目となるエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は「もう1度、日本ラグビーをピークに持っていき、成功する強豪チームにするには高校、大学、リーグワン、協会も含めて、全員が手と手を取って協力しないといけない」。

コンセプトを説明するエディ・ジョーンズHC

「まず、選手がやることの全てが日本代表のために、日本代表をファーストに考えてやるところからコンセプトが出てきた。そして、全員が1つになって、リソースを最大限に活かしていく。そこで成長して、代表まで上がってくる育成システムをしっかり作っていかないといけない。過去最強の日本代表を作るのが義務だと思っている」と話した。

また、ラグビー面でのバージョンアップという点では、指揮官は「アタックのチャンスで絶対仕留めること、常に相手より上手で畳みかけていくことが大事。ボールを持っていないときはワークレイトを上げないといけない」。

「トップ10のスタッツを見てみたが、強豪国と比べて我々はオフザボールの仕事が33%減なので、そこを上げていく。理解度も上げて、なぜ、ワーク・オブ・ザ・ボールが必要なのか、落とし込んでキャパシティを上げていけば良いラグビーができる」と自信をのぞかせた。

リポビタンDチャレンジカップ2025 ラグビー日本代表テストマッチ

続いて宮崎合宿に参加する、今年初めてのラグビー日本代表37名が発表された。ケガ人も多く、呼びたくても呼べなかった選手が13名ほどいた中で、唯一の大学生であるWTB(ウィング)竹之下仁吾(明治大学3年)を筆頭にノンキャップが16名(そのうち日本代表初選出が13名)選出された。

なお、37名中、リーグワンのトップ4に入ったチームに属する選手が17名、菅平合宿にトレーニングスコッドに参加していた選手から17名が選ばれた。キャプテンや副キャプテンは合宿に入った後に、選手たちの声も聞いて選ぶという。

永友洋司チームディレクター

日本代表の永友洋司チームディレクターは「宮崎合宿はテストマッチに向けた準備として、極めて重要な期間として捉えています。選手たちが自ら高め合いながらジョーンズHCの下、どのような取り組みを行うか、注目してほしい」と話した。

ジョーンズHCは「昨年のメンバーよりも今年のメンバーの方が強いと感じている。残念ながら、13人の非常に実力のある選手が選出できなかった。その一方で、他の選手たちにチャンスが回って来た」。

「16人のノンキャップ選手がいる。しかし、現時点では昨年よりも少し層の厚さが増していると思う。毎年、ポジションごとに層の厚さを増やし、ワールドカップまでに各ポジションに3、4人のレベルの高い選手を揃えることを目指している」。

「これからウェールズ代表戦まで、3週間の準備期間を楽しみにしています。その1週間前には、実際の試合時間を増やすことが必要な選手たちがプレーする、マオリ・オールブラックスとの試合がある。チームを1つにまとめ、北九州でウェールズ代表と素晴らしいラグビーの試合ができることを楽しみにしている」と語気を強めた。

昨年と比べて層が厚くなったポジション、課題を感じているポジションは?という質問に対してジョーンズHCは「9番は素晴らしい層の厚さがあると思う。HO(フッカー)も、これまで以上に層の厚さが増している。CTB(センター)もかなり強いと思う」。

「10番は依然として課題。リーグワンでは李承信が10番をプレーしていないが、彼は日本代表の10番として、テストマッチでプレーできる非常に優れたポテンシャルを持っていると考えている」。

「ただ、このチームの良い点は、10番でプレーできる選手が4人いることです。李、サム・グリーン、中楠一期、松永拓朗。彼らをキャンプに招集したら、優先的にどのポジションを任せるかを決める。ただし、彼らは他のポジションもプレーできる必要がある。それが私たちの大きな柔軟性です」と話した。

最後に2025年の目標について聞かれ、ジョーンズHCは「今年こそは世界トップ10の国を破るようなブレイクスルーの試合をしたい。2019年以来、トップ10の国を下していないので、それが目標。今年はそのチャンスが数多くある」。

「しかし、私たちにとって重要なのは、チームが継続的に成長し続けること。昨年は若手の選手でチームをスタートさせた。現在もケガ人の影響で、経験豊富な選手が不足している。だからこそ、学び続けて、前向きな姿勢を保ち、2027年のワールドカップに向けて着実に力を蓄えていくことが大切」と前を向いた。

ジョーンズHCと37名の選手たちは、6月28日(土)のマオリ・オールブラックス戦、そして7月のウェールズ代表との2試合に向けて、来週から宮崎で強化を進めていく。

トップ10に勝つという目標を掲げたエディ・ジョーンズHC

【日本代表 宮崎合宿参加メンバー】

※ポジション 選手名(所属・キャップ数)
◯:代表初招集
☆:6月のトレーニングスコッド合宿メンバー

◆FW:20名

PR 紙森陽太(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ・0)◯
PR 木村星南(東芝ブレイブルーパス東京・0)
PR 小林賢太(東京サントリーサンゴリアス・0)◯☆

HO 江良颯(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ・0)◯
HO 佐藤健次(埼玉パナソニックワイルドナイツ・0)
HO 原田衛(東芝ブレイブルーパス東京/6月4日退団・10)

PR 木原三四郎(東京サントリーサンゴリアス・0)◯☆
PR 竹内柊平(浦安D-Rocks/6月1日退団・13)☆
PR 為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ・10)

LO エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ・6)☆
LO/FL ワイサケ・ララトゥブア(コベルコ神戸スティーラーズ・0)◯
LO ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京・21)
LO/FL リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京・87)

FL 奥井章仁(トヨタヴェルブリッツ・0)◯☆
FL ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ・9)
FL ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ・20) 
FL 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス・14)☆
FL ヴェティ・トゥポウ(静岡ブルーレヴズ・0)◯☆

NO8 マキシ ファウルア(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ・15)
NO8 ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京・13)☆

◆BK:17名

SH 齋藤直人(スタッド・トゥール―ザン・24)
SH 福田健太(東京サントリーサンゴリアス・1)☆
SH 藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ・10)

SO/FB サム・グリーン(静岡ブルーレヴズ・0)◯☆
SO/FB 李承信(コベルコ神戸スティーラーズ・18)

CTB 中野将伍(東京サントリーサンゴリアス・7)☆
CTB シオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ・16)☆
CTB ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ・28)
CTB チャーリー・ローレンス(三菱重工相模原ダイナボアーズ・0)◯☆

WTB 石田吉平(横浜キヤノンイーグルス・0)◯☆
WTB 植田和磨(コベルコ神戸スティーラーズ・0)◯
WTB マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ・7)
WTB メイン平(リコーブラックラムズ東京・1)☆
WTB ハラトア・ヴァイレア(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ・0)◯
WTB/FB 竹之下仁吾(明治大学3年・0)◯☆

FB/SO 中楠一期(リコーブラックラムズ東京・0)☆
FB/SO 松永拓朗(東芝ブレイブルーパス東京・4)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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