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【ハイライト動画あり】伝統×進化!「原点回帰」クボタスピアーズ船橋・東京ベイが横浜キヤノンイーグルス相手に地力証明。ジャパンラグビーリーグワン2024-25第12節交流戦
ラグビーレポート by 多羅 正崇
1978年創部のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。
いまや日本を代表する強豪となったスピアーズは、3月22日(土)、スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)に、創部当初の段柄(白黒)をイメージした復刻ジャージーで登場した。
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指揮官のフラン・ルディケHC。不敗記録が21に伸びているホスト会場を「特別な雰囲気」と表現し、試合後会見でもまず「オレンジアーミー(チームファンの愛称)の皆さんに感謝します」と述べた。
そんな会場にビジターとして乗り込んだのは6位(5勝6敗)横浜キヤノンイーグルスだ。トップ6(プレーオフ進出圏内)維持へ負けられぬ一戦だが、序盤戦でプレッシャーをかけたのは3位(8勝1分2敗)のスピアーズだった。
イーグルスは自慢のアタックで攻めあぐねる厳しい展開。スピアーズの指揮官は、堅調なディフェンスについて訊ねられると、元NZ代表DFコーチの貢献に触れた。
「(アシスタントコーチの)スコット・マクラウドコーチが小さなことを積み重ね、ディフェンスシステムに大きな変化をもたらしてくれました。(チーム参加)1年目ですが、大きなインパクトを残してくれています」(スピアーズ、ルディケHC)
だが一方的な展開を許すイーグルスではなかった。
反撃に遭ったスピアーズだが、ここで十八番のスティールをみせたのがHOマークス。ところが一方のイーグルスもゲームキャプテンのFL古川聖人がスティール。お互いに好守を披露する好勝負が展開される。
ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1
【第12節 ハイライト動画】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 横浜キヤノンイーグルス
だがスピアーズはこの日2度目のキック「50:22」を決めると、敵陣ラインアウトからモール。中央側へ押し込みつつ相手FWをモールにコミットさせ、SH藤原忍が空いたショートサイドへ持ち出し。カットパスを受けたWTB根塚が今季初トライを決めて先制した。(5-0)
イーグルスは前半34分、先発を託されたCTB田畑凌の果敢なキャリーなどから連続攻撃を展開。SO田村優がショット成功で2点差(3-5)に詰める。
しかしスピアーズは突き放した。
華々しいアタックが光るイーグルスに対し、スピアーズは伝統のフォワード戦で勝負。前半37分にはフォワードで近場勝負。LOデーヴィッド・ブルブリングがチーム2本目を奪った。
復刻ジャージーを着た今節『原点回帰』を掲げたスピアーズ。NO8ファウルア・マキシ主将はプレーで意識したことについて「特にスペシャルなプレーはありません」と話した。
「自分たちがやってきたことを出すだけです。今週もすごく良い準備ができました。その準備してきたものを出すだけでした」
前節では、前半が無得点に終わったスピアーズ。今節は強豪イーグルスを3得点のみに抑え、12-3とリードして試合を折り返した。
後半こそ反撃したいイーグルスだったが、出鼻を挫くような強烈な一撃は後半3分だった。
前半ラストに劣勢気味だったスクラムで、スピアーズは先発フォワード8人でプッシュ。スクラム破壊でペナルティを誘発すると、そのままSH藤原が仕掛けた。
球際の絶妙オフロードから大外に繋がると、前回対戦でハットトリックのWTBハラトア・ヴァイレアがここで爆走。ヒット&ターンで抜け出しSOフォーリーのトライに繋げた。
さらに2分後(後半5分)にノーホイッスルトライ。
PRオペティ・へルのハンドオフを織り交ぜたキャリーから、トップスピードに乗ったWTB根塚が左隅突破。SH藤原からボールを受けたCTBリカス・プレトリアスが連続トライを決めた。(26-3)
ここまでノートライのイーグルス。
ファーストトライはモールからだった。ペナルティを続けた相手に対してゴール前ラインアウトで押し込み、SO田村のゴール成功で7点を返した。
だが苦労してトライするイーグルスに対し、スピアーズは軽業で少ないフェーズでトライを獲る。後半14分にはSOフォーリーのショートパントを片手に収めたWTBヴァイレアが、そのまま守備2人を振り切って独走トライ。
近年のスピアーズはバックスの決定力も進化。伝統のパワープレーだけではない武器を見せつけ、その後ペナルティゴールも加え、イーグルスのビハインドは24点(10-34)となった。
ただ終盤の体力勝負、粘り強さに定評のあるのがイーグルス。
まずSO田村の足技からチーム2本目を奪取。このトライ後にコンバージョンを決めたイーグルスSO田村は、史上3人目となるトップリーグ・リーグワン通算1000得点を達成。メモリアルな追加点で17点差に迫る。
さらに自陣のモール守備で粘った後の後半34分、自陣ゴール前からのクイックスタートでWTBヴィリアメ・タカヤワが大迫力の突破。
このゲインを足場にラインアウトから美技。デコイ(おとり)を使った裏のプレーで、ブレンダン・オーウェンが後半34分に連続トライ。10点差(24-34)とした。
だがリスタート直後、WTB根塚のタックルからターンオーバー。この攻守交代から途中出場のメルヴェ・オリヴィエが抜け出してトライ。
空白のような瞬間に簡単にトライを獲られたイーグルス。決定的なトライをソフトに獲られてしまい、24-41で敗戦を喫することになった。
プレーオフ進出圏内の6位はキープしたイーグルスだが、9位(リコーブラックラムズ東京)との勝点差はわずか「5」。先頭集団との差が広がり、中位に吸収されてしまった格好だ。
「今シーズン、同じパターンで自分たちから崩れていくところがなかなか改善されないので、そこをしっかり改善しないと、次のステージには行けなくなる可能性が大きくなります。まずはしっかりと課題を明確にし、次のトヨタヴェルブリッツ戦に向けて良い準備をしたいと思います」(イーグルス、沢木敬介監督)
次節(第13節)はセカンダリーホストエリアの大分県に11位(2勝1分9敗)のトヨタヴェルブリッツを迎える。敗れれば7位以下に転落する可能性もある一戦となる。
かたや9勝目を奪い、“えどりく”での不敗記録を22に伸ばしたスピアーズ。
ルディケHCは「今日は激戦でした。スコアは内容を反映していないかもしれません」と熱戦を振り返り、「選手たちは最後まであきらめず、キャプテンをはじめ選手たちが活躍してくれて、勝ち点5を獲得できたことにとても満足しています」と話した。
2季ぶりのプレーオフ進出へ前進したスピアーズの次なる舞台は、再び“えどりく”。持ち前のハードワークでヴェルブリッツに辛勝した7位(5勝7敗)、三菱重工相模原ダイナボアーズを迎え撃つ。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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