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ラグビー コラム 2025年3月23日

【ハイライト動画あり】昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京が強さを発揮、埼玉パナソニックワイルドナイツに勝って首位浮上

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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50キャップ目で初トライを挙げたPR小鍛治(ブレイブルーパス)

リーグ戦も後半戦に突入した「NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25」は、3月22日(土)23日(日)に交流戦となる第12節が行われた。

東京都・秩父宮ラグビー場では、22日(土)にディフェンディングチャンピオンの東芝ブレイブルーパス東京と、昨季準優勝の埼玉パナソニックワイルドナイツの「首位決戦」が行われた。なお、両者は2月9日、埼玉県・熊谷ラグビー場で対戦し、28-28と引き分けており、今季2度目の激突となった。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

昨季の覇者ブレイブルーパスは、開幕から4連勝を飾ったものの、第5節で静岡ブルーレヴズに敗戦。だが、その後はワイルドナイツとの引き分けを挟み、5連勝を飾り、9勝1分1敗の勝ち点42で2位につけていた。

一方、リーグワンとなってから3シーズン連続でプレーオフの決勝に進出しているワイルドナイツは、今季も開幕から引き分けを挟み、無敗を続けてきた。しかし、前節の静岡ブルーレヴズ戦で17-22と初黒星。それでも勝ち点45で首位に立っていた。

ブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)は、33-22で勝利した前節のトヨタヴェルブリッツ戦から、BK(バックス)1名のみの変更にとどめた。CTB(センター)眞野泰地が先発に上がり、ロブ・トンプソンが13番にシフトした

坂手(左)とリーチ、両キャプテン

ワイルドナイツは、前節からFW(フォワード)、BK1名ずつを変更し、キャプテンの日本代表HO坂手淳史が先発に復帰し、アーリーエントリーの佐藤健次(早稲田大学4年)がベンチに下がった。また、BKは日本代表CTBの長田智希が今季初めて控えに下がり、ヴィンス・アソが先発に上がった。

昨季のリーグワン決勝では、ブレイブルーパスが24-20で勝利し優勝を飾ったが、『Opta』のデータによると、ブレイブルーパスはワイルドナイツとのリーグ戦では、現在10試合連続未勝利(2分8敗)。一方で、レギュラーシーズンのホストゲームは13試合連続無敗(12勝1分)となっている。

今節敗れるとリーグ戦では2005年以来、19シーズンぶりの2連敗となるワイルドナイツが、敗戦からの学びを活かし、昨季のプレーオフ決勝のリベンジを果たすか。それともブレイブルーパスが難敵を下して、ホストゲームの無敗記録を継続するか。

優勝候補同士の激突は、午後3:05に、1万6937人の観客が見守る中、ブレイヴルーパスボールでキックオフされた。

ジャパンラグビー リーグワン2024-25

【ハイライト動画】第12節 東芝ブレイブルーパス東京 vs. 埼玉ワイルドナイツ(3月22日)

先手を取ったのは「規律と実行力」を掲げて臨んだブレイブルーパスだった。前半4分、相手陣のラインアウトからモールを形成後、ボールを継続、CTB眞野がゲインしてゴール前に攻め込む。

SOモウンガからFLフリゼルへのオールブラックスライン

すると、最後はSO(スタンドオフ)リッチー・モウンガが、FL(フランカー)シャノン・フリゼルにオフロードパスをつないでトライ。FB(フルバック)松永拓朗がゴールを成功させて7点を先制する。

8分、ワイルドナイツもSO(スタンドオフ)山沢京平が、PG(ペナルティゴール)を決め、3点を返す。その後は互いに攻めるものの、相手のディフェンスが上回る状態が続いた。

その膠着状態を打破したのはブレイブルーパスだった。ラインアウトからSOモウンガ中心にパスをつないで、左タッチライン際にいたHO(フッカー)原田衛が走り込んで左隅にトライを挙げて14-3とする。

さらに、ワイルドナイツがマイボールラインアウトをキープできずに攻めあぐねていると、フレブルーパスが相手陣でチャンスを得る。33分、FW陣が前に出て、FLフリゼルからのパスを、この試合節目の50キャップのPR小鍜治悠太が社会人となって初トライを挙げて21-3とリードを広げた。

だが、ワイルドナイツもこのまま終わらない。前半終了間際の38分、ラインアウトからボールを継続して、最後はLO(ロック)ルード・デヤハーが右中間にねじ込んでトライ。

トライを挙げて喜ぶSH杉山

それでも、ブレイブルーパスは前半ラストプレーでワイルドナイツのキックオフをミスしたところを攻め込み、SH(スクラムハーフ)杉山優平が右中間に飛び込んで、28-10でハーフタイムを迎えた。

後半は18点差を追いかけるワイルドナイツが先に得点を挙げた。9分、スクラムを起点にCTBダミアン・デアレンデがゲインし、最後は途中出場のPRクレイグ・ミラーが中央にトライ、得点差を11点に縮めた。

一方、ブレイブルーパスも15分、相手陣奥でモールを押し込み、HO原田が押さえて35-17と再び18点差とした。23分、ブレイブルーパスのFLフリゼルが、ハイタックルでイエローカード(10分間の一時退場)となり、ワイルドナイツは数的有利となった。

トライを挙げるNO8大西

25分、このチャンスにワイルドナイツは、ペナルティからスクラムを選択し、途中出場のNO8大西樹が持ち出して、自らトライを挙げて、再び11点差に追い上げた。

だが32分、逆転を目指し自陣からボールを回すワイルドナイツに対して、ブレイブルーパスがディフェンスでプレッシャーを与え、ターンオーバー。最後は途中出場のベテランSH小川高廣が相手の隙を突いてトライ。42-24と再びリードを広げた。

ブレイブルーパスはこのまま終われば、3トライ差で勝ち点5を得られたものの、ロスタイム、ワイルドナイツも意地を見せて途中出場のSH高城佑太がトライ。最終スコア、42-31でノーサイドを迎えた。

終始リードをキープし、ホストで強さを見せたブレイブルーパスが、リーグワンのリーグ戦で初めてワイルドナイツを下した。POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)には、攻守に渡って身体を張り続けたブレイブルーパスのNO8(ナンバーエイト)リーチが選出された。

ロビー・ディーンズ監督(ワイルドナイツ)

2005年12月以来、19シーズンぶりに2連敗となり、今季初めて勝ち点を挙げられなかった、ワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督は「セットプレーは自分たちが、相手に隙を与えてしまったので改善していかないといけない」。

「負けというのは単なる負けで、楽しいものではない。ただ、連勝、連敗という記録で自分たちは見ていない。1週間単位で見ている。また来週、勝てる機会があるので、そこに向けて挑戦したい」と前を向いた。

コンディション不良のHO坂手キャプテンに替わり、会見に出席したNO8大西は「前半、自分たちが後手に回る感じになった。後半はそれを切り替えて自分たちがプレッシャーをかけて、できていたが試合の入りが良くなかった。負けたが、最後に優勝すればいいので、やることは変えずに基本に立ち返る」と話した。

勝ち点4を加えて、今季初めて首位に立ったブレイブルーパスのブラックアダーHCは「素晴らしい1週間の準備を、しっかりとしたパフォーマンスにつなげられてうれしい」。

「試合の入りもよく、コリジョン、フィジカルで圧倒した。相手のラインアウトにプレッシャーをかけて、スクラムもセットプレーも安定した中で、自分たちのDNAであるアタックをし続けて、見ている方にインスピレーションを与えられた」と選手たちの努力を称えた。

POMはリーチ マイケル キャプテン(ブレイブルーパス)

キャプテンのNO8リーチは、ディフェンスが良かったことに関して、「みんなハードワークでき、タックルが苦手な選手がいない。タックルしたい選手が多すぎるくらい」と苦笑した。

そしてホストゲームで14戦(13勝1分)負けがないことに関しては「ファミリーロードをやって、ファンの顔を少しずつ覚えてきた(笑)。ファンの力が大きいし、府中からだけでなく、たくさんのファンがいるので、リーグワンはやっていて楽しい」と声を弾ませた。

引き分けを挟んで6連勝となったブレイブルーパスは、次節もホストゲーム。3月30日(日)に、北海道・大和ハウス・プレミスドームに10位の三重ホンダヒートを迎える。

1ポイント差で2位へ順位を落としたワイルドナイツは、3月29日(土)、宮城県・キューアンドエースタジアムみやぎで、最下位の浦安D-Rocksと対戦する。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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