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【ハイライト動画あり】前半は浦安D-Rocks。後半はクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。金曜ナイターは怒濤の展開に。ジャパンラグビーリーグワン2024-25第11節交流戦
ラグビーレポート by 多羅 正崇マルコム・マークス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
19時キックオフの金曜ナイター。1万4056人が集ったスタンドは、桜色を思わせるマゼンタカラーに染まっていた。
これは「みんなの力で、がんを治せる病気にする」ことをミッションに掲げる『deleteC』活動に賛同する浦安D-Rocksが、同活動のメインカラーであるマゼンタカラーのベースボールシャツを、先着10000名に配布したことによるもの。
その試合は前半、12位(1勝9敗)のホスト・浦安D-Rocksが、3位(7勝2敗1分け)のクボタスピアーズ船橋・東京ベイを“圧倒”した。
J SPORTS オンデマンド番組情報
「前半のようなラグビーが――完璧とまではいかないですが――自分たちが目指している理想に近いラグビーでした」(浦安D-Rocks、グレイグ・レイドローHC)
まず浦安D-Rocksは前半、スピアーズの長所であるフォワード戦で、互角以上に渡り合った。前半6分にはスピアーズのモールを止め、ファーストスクラムではペナルティを誘った。
ディフェンスでも奮闘。この日NO8ヤスパー・ヴィーセに代わり急遽先発になったNO8トゥクフカトネらがスティールを成功させるなどした。
「前半に一番良かったのはディフェンスです。コリジョンエリア、衝突に勝つことでブレイクダウンを遅らせることができていたと思います」(浦安D-Rocks、レイドローHC)
アタックにおいて獅子奮迅だったのは、オーストラリア代表で元東京SGのCTBサム・ケレビだ。
前半12分には敵陣左隅でロングキャリー。さらに立ち上がり、タッチライン際で残ったボールを拾って再度キャリー。相手フォワードを弾き飛ばし、豪快な先制トライを奪った。
さらに浦安D-Rocksはピッチ幅いっぱいの展開攻撃を繰り出し、前半21分、関西学院大学卒のWTB松本壮馬(アーリーエントリー)が突破してリーグ初トライ。12点リード(12-0)とした。
「浦安D-Rocksは前半、すごくプレッシャーを掛けてきました。ワイドからワイドにボールを動かして良いトライもありましたし、プレッシャーを掛けられました」(スピアーズ、SOバーナード・フォーリー)
ジャパンラグビー リーグワン2024-25 D1(3月14日)
【第11節 ハイライト動画】浦安D-Rocks vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
一方のスピアーズは、引き続き浦安D-Rocksの出足の速いディフェンス、フィジカリティに苦戦。ハンドリングエラーや被ターンオーバーからエリアを後退すると、さらに反則を犯してしまう悪循環もあった。
そのペナルティで浦安D-Rocksが前半34分にPG(ペナルティゴール)成功。15点リードで前半を終えた。
前半はセットプレーや衝突局面で互角以上に奮闘し、CTBケレビを中心した展開力&圧力で2トライを奪った浦安D-Rocks。対する15点ビハインドのスピアーズは、後半最初からリーグ最強クラスのカードを2枚切った。
「普段は(HOマークスやPRヘルは)後半10分ごろに投入しますが、パワーやドミネートすることが必要でしたし、前半はプレッシャーを掛け切れなかったという点で早めの投入になりました」(スピアーズ、フラン・ルディケHC)
だが後半の最初のトライは、浦安D-RocksのSH飯沼蓮によるインターセプト。リードを22点に広げ、後半逆襲しようとするスピアーズの気勢を削いだが、ここからスピアーズの猛攻が始まる。
「彼ら(マークス、ヘル)が入ってからは実際に試合が動きましたし、トライも取れました。そこからリズムが出て、瞬間、瞬間で勝っていくことができました」(スピアーズ、ルディケHC)
廣瀬雄也(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
エナジーアップしたスピアーズに勢いを与えた大きな転機は、ラインアウトからノーラックの2次攻撃でCTB廣瀬雄也がチーム1本目を決めた後、15点差に詰めよった後半13分のプレーだった。
HOマークスにタックルした途中出場のトム・パーソンズ(浦安D-Rocks)が、倒れたままラックで手を使う故意の反則によって、シンビンに。この際のプレーにおけるスピアーズのトライも認められた。
浦安D-Rocksは2トライ目を奪われた上、数的不利(14人)となる窮地。すると優劣がスピアーズに大きく傾いた。
まず、浦安D-Rocksのディフェンスの圧力が弱まり、それまでミスで終わることの多かったスピアーズの攻撃圧力が高まった。拮抗模様だったスクラムもスピアーズが優勢となり、武器のモールからチーム3本目。
ここでスピアーズが1点差(21-22)に迫ると、ボールを保持して時間を稼ぎたい浦安D-Rocksに対し、途中出場の前主将、立川理道がスティール成功。
ここから敵陣に入ると、フルバックで出場の押川敦治がグラバーキック。両軍が手に付かないボールをスピアーズのCTBリカス・プレトリアスがグラウンディング。TMOの結果、逆転トライが認められ、スピアーズが4点リード(26-22)を得た。
直後シンビンからトム・パーソンズが戻った浦安D-Rocksだが、立川理道のボールタックルによる落球、さらに後半29分、スクラムからのロングキックでCTBプレトリアスが懸命のチェイス。
ここからのカウンターラックでボールを得ると、トゥパ・フィナウがチーム5連続トライを沈め、リードを11点(33-22)に広げた。
途中出場のWTB根塚洸雅のトライはネックロール(反則)によって取り消されたものの、最後まで攻め続けたスピアーズ。
3トライ差以上のボーナス1点を目指した最終盤のトライはミスで終わったが、後半の5連続トライで逆転したスピアーズが、劇的な8勝目を手にした。
3位キープとなったスピアーズのルディケHCは「ハーフタイムに修正し、冷静にやるべきことをやったので、ひっくり返すことができた」と語り、「小さなこと、ベーシックなことを確実にやったことでこの結果につながったと思います」と、細部の修正を勝因の一つに挙げた。
スピアーズの次節は本拠地・スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)。“えどりく”での不敗神話を継続させるべく、6敗目を喫した6位・横浜キヤノンイーグルスを迎え撃つ。
今季10敗目を喫したものの、前半はコリジョンエリア(衝突局面)でも優勢に立ち、スピアーズを圧倒するラグビーを披露した浦安D-Rocks。
しかし後半は衝突局面で「上手くいかなくなり」(浦安D-Rocks、レイドローHC)、イエローカードも相まって劣勢に。
指揮官は「相手が対抗してきたときにどうやって勝ち筋を見つけるか。後半はそれができず失点を重ねてしまったので、そこを修正して勝てるチームになっていきたい」とさらなる成長を誓った。
浦安D-Rocksの次節の対戦相手は9位(4勝7敗)三重ホンダヒート。今季2勝目をかけ、第12節は敵地・三重交通G スポーツの杜鈴鹿へ乗り込む。
文:多羅 正崇
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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