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立教大学戦でゲインを見せるLO西浦
春は7-60、夏は38-14。今季、帝京大学とは1勝1敗と互角の勝負を見せている早稲田大学。ラグビー関東大学対抗戦で帝京大に最後に勝利したのは、丸尾崇真(令3文構卒=現・神奈川タマリバクラブ)が率いた2020年のこと。
今週末、秩父宮ラグビー場を舞台に4シーズンぶりの白星を奪取したい早大は「もう一段ステップアップして臨みたい」(大田尾竜彦監督、平16人卒=佐賀工)と王者打倒に向け、着実に準備を重ねている。
前節は群馬・太田市運動公園陸上競技場で行われた青山学院大学との一戦。青学大は今季、31年ぶりに筑波大学に勝利し、勢いに乗っていた難敵だった。しかし、結果は早大が圧倒。キックゲームで優位に立ち、コリジョンでも強さを見せた。安定感のある試合運びで次々と得点を重ね、計10トライ。
早大らしい多彩なアタックが猛威を振るった。しかし、この試合で最も注目すべきは、なによりディフェンス。対抗戦が開幕してから、これまで早大はインゴールを割らせていない。明大から先制トライを奪った青学大の確かな攻撃も、真っ向から防ぎ切り、完封での勝利を見せた。
対する帝京大、絶対王者として大学ラグビー界に君臨する赤いジャージーは、今季も圧倒的なパワーを見せつけながら4連勝。すべての試合でボーナスポイントを獲得し、勝ち点を伸ばしている。
前節の慶應義塾大学との一戦では、タイガージャージーの伝統のディフェンスをものともせずトライを量産。57-19と大きく点差をつけて勝利した。帝京大の強みは「トライを取り切る力」だろう。
敵陣のゴール前に侵入すると、FL(フランカー)青木恵斗をはじめとする強力なFW(フォワード)陣が次々に順目にアタックを仕掛け、コンタクトの強さを見せつけながら前進する。オフサイドラインを下げられ後手に回る守備の穴を的確に突く。シンプルに徹したラグビーだからこそ、覇者の風格がある。
立教大学戦で仕掛けるHO佐藤
早大の注目プレーヤ―、筆頭はやはりHO(フッカー)佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)。開幕戦の立教大学戦以降、日本体育大学戦と青学大戦を欠場していた主将が満を持して登場する。スクラム、ラインアウト、ボールキャリー、タックル。彼のプレーの全てが必見だ。
春の法政大学戦、ブレイクするLO栗田
また、両LO(ロック)の西浦剛臣(社4=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール)と、栗田文介(スポ3=愛知・千種)も復帰。2人の魅力はなんといってもフィジカルの強さを生かしたダイナミックなプレー。
しかし、ブレイクダウンやダブルタックルなど、影のプレーもこなせる献身性も大きな強みだ。ついに早大のタイトファイブが帰ってきた。強力な帝京大スクラムを正面から押し勝つ準備はできている。
迎えた乾坤一擲の大勝負。早大にとっては対抗戦折り返しの第4節、ここで白星を飾ることは勝ち点以上の価値がある。試合を分けるのは、やはりディフェンスだろう。帝京大のシンプルかつパワフルなアタックに対して、80分間集中した防御を貫きたい。今季の早大は圧力あるディフェンスに加え、一気に敵陣に攻め込む攻撃力も兼ね揃える。
ラグビー 関東大学対抗戦2024
SO(スタンドオフ)服部亮太(スポ1=佐賀工)のロングキックや、FB(フルバック)矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)の天性のランニングは自陣深くからでも脅威になる。まさに堅守速攻を体現したラグビーだ。
帝京大のフィジカルに引かず、常に前に出続ければ必ず勝機が転がり込む。さあ、『早稲田のプライド』を見せつけろ。
文:村上結太/写真:清水浬央(早稲田スポーツ新聞会)
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