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ラグビー コラム 2023年10月24日

バトル・オブ・ザ・ジャイアンツ ~ラグビーワールドカップ決勝で南アフリカとニュージーランドが激突~

be rugby ~ラグビーであれ~ by 藤島 大
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興味深いのはオールブラックスの後半のスコアだ。長く「ニュージーランドのテストマッチにおける史上最高のトライのひとつ」とされてきた。スクラム起点の展開、スタンドオフの名手、ハリー・エドガー・ニコラスが中央付近からタッチラインぎわの右WTB、ジョン・スティールの前方へパント、スピードランナーは頭上の球をなんとか肩甲骨のところでつかんで45m強を走り抜いた。キックによるパス。それこそは102年後のニュージーランダーの有力な得点源でもある。

同年のシリーズは1勝1敗1分ときれいに星が並んだ。いちばん初めにすでにライバルなのである。以後、通算105試合でニュージーランドの62勝39敗4分。数字の印象よりもはるかに実力の接近したバトルを繰り広げてきた。

1995年にはワールドカップ南アフリカ大会の決勝で対戦した。ヨハネスブルグのエリス・パーク。ともにノートライのまま同点延長に入り、グリーン&ゴールドの10番、ジョエル・ストランスキーのDGが15-12の結末を招いた。両チームあわせてPGが6本、DGが3本、それが全得点だった。ストランスキーはパスやランにおいては格別ではなく、されどキッカーとして不可欠であった。2023年のハンドレ・ボラードにもどこかかぶる。

あのとき準決勝のオールブラックスはイングランドに6トライの猛攻で大勝(45-29)した。スプリングボクスは雨天のフランスとのトライひとつのみの蹴り合いを辛くも制した(19-15)。ここも今回の構図と似ていなくもない。

さて。95年大会の決戦の前には不穏な出来事があった。オールブラックスの選手たちが次々と腹痛に襲われたのだ。ホテルの食堂の「スージー」という従業員が紅茶のポットに「毒性のある無臭のハーブ」を盛ったのだと広く信じられている。

当時の黒衣の一員であるジェイミー・ジョセフに5年前のインタビューで真相を聞いたことがある。

「多くの選手が苦しんだのが本当かと聞かれたらイエス。毒かと聞かれたら、わからない、と答えるほかない。私は平気でしたが忘れもしません。あれは(決勝前々日の)木曜です。マオリ伝統の(日本語で)ブタナベが夕食でした。本来なら決勝のあとに供されるはずなのに手違いがあった。監督はとまどっていました。その後、『ショーシャンクの空に』という映画をみんなで観賞していると次々とトイレに出ていくのです。最悪の事態は土曜の試合前まで続きました。紅茶に毒を盛られたというストーリーも本当かもしれない。でも、それが私の知っている事実です」(『ナンバー』)

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