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ラグビー コラム 2023年10月11日

敗退も退歩ではなし~ラグビーワールドカップ準々決勝を前に~

be rugby ~ラグビーであれ~ by 藤島 大
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ジャパンはアルゼンチンのごとくたくましく、アルゼンチンはジャパンのように緻密だった。わずかな差を分けたのは、ハイパントの処理やラインアウト、リスタートの争奪に顕著な高さ、バックスの個の速さである。

ジャパンとしては「意図的でない」というか「能動的でない」キックのあとの対応が悔やまれる。タッチの外に出すとモールがこわい。そこでプランBとしてノータッチに切り替える。正しい。しかし、心より望んだ選択とはちょっと違う。さまざまな状況でわずかであれ圧を感じて蹴り返すと、そこから厳しい反攻にさらされた。

なんて解説すれば、もっともらしいが、ほぼ後知恵である。圧があるゆえに蹴り返すのは間違いではないのだから。しっかり対策を施し、大接戦となり、そこでのミクロの領域(心より望んだキックでなくとも心より望んだように完璧なチェイスやサポートを続ける)の未達が残された。

経験(スプリングボクスやオールブラックスとの対戦回数)で上回れぬ立場には、重箱の隅の精度が求められるのだ。天井を突き抜けるのはかくも厳しい。

「日本のラグビー、全力を尽くして、出し切って、この結果なんで。世界の壁を感じました」

リーチマイケルの終了後の発言は実感である。

姫野和樹とジェイミー・ジョセフの日本代表は、アルゼンチンとならほぼ同格、すなわち白星が番狂わせではない位置へたどり着き、ちょうどスコアの分の実力差で負けた。前回より成績は後退したが、サンウルブスの消滅やパンデミックの影響(2000年は活動なし)の重さを考慮するなら、歴史の退歩ではなかった。

この原稿はマルセイユの駅前ホテルで書いている。きのうの夕方、目の前のロータリーをぼんやり歩いていたら、アルゼンチンとの準々決勝に臨むウェールズ代表がバスに乗り込む場面に遭遇した。連中、さして大きく映らない。ヒメノやリーチやイナガキのほうが強そうだ。そこでもういっぺん思った。惜しい。惜しかったなあ。

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