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ラグビー コラム 2023年9月3日

ラグビー日本代表、決戦の地・トゥールーズに到着。「いよいよ」という気持ちと気合いが伝わった公式会見

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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会見に臨むジョセフHCと姫野主将(左)

9月2日、ラグビー日本代表がプール戦1試合目のチリ代表戦が行われるフランスのトゥールーズに入り、ワールドカップの公式会見に臨んだ。ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)、2大会目の出場となるキャプテンFL(フランカー)姫野和樹、そしてキャプテン経験があり、4大会目の出場となるHO(フッカー)堀江翔太らが会見に応じた。

日本代表を率いて2度目のワールドカップで、今大会で退任を発表しているジョセフHCは、ワールドカップ期間に入るということで、今までの記憶にないくらい、気合いが入った表情を見せた。

「(トゥルーズに入った現在の心境は)すごくうれしい。6月の浦安合宿から始まって、ハードなキャンプをしてきたし、試合も行って、イタリアでキャンプもした。ここからは前だけを見て、ワールドカップに集中する時期だと思う」。

「先週と合わせて、この10日間で準備していく。これまで色々なコンビネーションを試した。フィットネスはあると思うので、メンタルの部分を鍛えていきたい。ポジティブなことは、選手たちがとてもエキサイティングな気持ちでここにきたことです」。

前回大会はホームで日本のファンの多くの声援を受けたが、今大会はフランスでの大会。ジョセフHCは「大分違うと思う。準備の部分も含めて、前回はスーパーラグビーがあって、そこからワールドカップに向けての準備をしてきた」。

「今回はまず、コロナで1年間ラグビーができないところからのスタートだった。ただ、ワールドカップはプール戦4試合が負けられない戦い。最近でもワラビーズやオールブラックスが負けたり、イングランドがフィジーに負けたり、何が起こるかわからない。それだけにしっかりと自信を持って臨んでいきたい」と述べた。

ジェイミー・ジョセフHC

また、日本代表の指揮官として臨む、最後の大会については「自分は選手としてもコーチとしても、いくつものワールドカップを経験した。私の役割は難しい環境の中でチームを準備させることで、今回のチームは結束力、選手間、選手とコーチが同じ方向を向いている。ここからはしっかりと自信を持って、自分たちのプランを遂行していく。そういうことをできるチームが勝ち上がっていくはず」と語った。

姫野和樹キャプテン

一方、試合会場のあるフランスに入り、緊張した表情を見せていたのが姫野主将だった。背筋を伸ばし、「前回大会は日本でやったので、環境的に恵まれていた。今回はフランスでの大会なので、自分たちがどれだけいい準備をするかだと思う。あとはやるだけ」と前を向いた。

キャプテンとして臨む姫野は「(練習会場に飾ってあるエベレストに例えて)これからデスゾーンに入っていく中で、自分たちは生きるか死ぬか。その中で必要なのは命がけで、自分の命を賭けるくらいのパフォーマンスをしないといけない。今回はキャプテンとして臨むので、期待してくれたジェイミーに男として応えたいし、ただ難しく考えるのでなく、しっかりグランドの中でベストプレーヤーになってチームを引っ張りたい」と意気込んだ。

堀江翔太

そして4回目の出場となるHO堀江は少し移動疲れを見せつつも、いつも通りの自然体だった。初戦のチリ代表戦に向けて「僕らの1試合目はうまくいかないことが多い。メンタルのプレッシャーがあり、上手くいかないことがあることに気をつけないといけない。チームに対してどういうことをするかは、いつもと変わらないので、自分たちのラグビーができるように準備したい」と話した。

現在のチーム状況については「ポジティブにいる。(イタリア戦では)最後の最後、全員が同じ画を見れなかったので、そこをしっかりすれば、こちらに来たゲームだと思う。詰めの部分をどうするかを話し合いできた。若手中心のリーダー陣が、スタッフと一緒に話すことができたので、次に向けて修正していきたい」と前を向いた。

いよいよ決戦の地、フランスに入ったラグビー日本代表。三者三様の話しだったが「いよいよ」という気持ちと気合いが十分に伝わってくる会見となった。あと1週間、精度を高めて9月10日のワールドカップ本番に備えていく。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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