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ラグビー コラム 2023年5月19日

国立競技場での頂上決戦。堅守速攻の王者ワイルドナイツの連覇か、スピアーズのフィジカルが厚い壁を崩すのか

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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クボタスピアーズ船橋・東京ベイスターティングメンバー

メンバーは先発15人で3名の変更がある。準決勝の開始早々に負傷退場した海士広大は欠場。準決勝で海士の交代で入ってスクラム、ボールキャリーで大活躍した紙森陽太が1番のPRに入る。LOヘル ウヴェはリザーブに下がり、4番のLOでベテランの青木祐樹が先発。CTB(13番)はリカス・プレトリアスから今季限りで引退を表明しているライアン・クロッティへ。クロッティは準決勝ではリザーブだったが、今回は先発で元ニュージーランド代表の経験値の高さを見せつけたい。HOリザーブは杉本博昭からスカルク・エラスマス、紙森に代わってPR(1番)の控えは元・宗像サニックスブルースの加藤一希。CTBの控えにテアウパ・シオネが入り、オペティ・ヘル、ヘル ウヴェ、ハラトア・ヴァイレアとともにインパクトプレーヤーとなる。

埼玉WKは安定したディフェンスから一気に切り返すアタックを得意とする。キックに対しても野口竜司を軸にフィールディングが良く、機を見て思い切ったカウンターアタックを仕掛ける。S東京ベイも攻撃でミスをすれば、そこから失点し、不用意なキックを使えばカウンターアタックを食らうだろう。S東京ベイの強みは強いボールキャリアが多いことで、得点力が高い。彼らを効果的に使って前進し、根塚洸雅、木田晴斗という決定力あるWTBを走らせたい。

今季はレギュラーシーズンの交流戦(3月4日)で対決し、30-15で埼玉WKが勝っている。後半28分まで20-15という僅差だったが、SO山沢拓也がドロップゴールを決めて、トライ、ゴール、PG、ドロップゴールとラグビーの得点方法をすべて決めるフルハウスを達成。最後は長田のトライで突き放した。この試合も含め、埼玉WKはS東京ベイとの対戦成績は現在14連勝中(プレーオフの成績を含む)だ。埼玉WKの優位は動かないが、立川キャプテンは言った。「相手がどのチームだろうと、自分たちのラグビーをするだけ。そうすれば結果はついてくる」。松田力也とバーナード・フォーリーのプレーメイカー&プレースキッカー対決、長田智希と木田晴斗のルーキーWTB対決ほか、注目のマッチアップも多い。観る者の胸をときめかせるようなプレーが相次ぐ戦いを期待したい。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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