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浦安D-Rocks vs. 釜石シーウェイブス
ジャパンラグビーリーグワンのディビジョン2(D2)は、2月11日(土)、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で、第5節の残り1試合を行う。
シーウェイブスは現状東北・北海道唯一のリーグワンチームであり、日本選手権7連覇の“北の鉄人”新日鐵釜石を前身とする、日本ラグビーの財産を継承するチームだ。
昨季は順位決定戦最終節(第3節)で日野レッドドルフィンズから勝利(22-19)を奪い、5位でフィニッシュ。劇的にD2残留を決めた。
今季は開幕2連敗後、清水建設江東ブルーシャークスからダブルスコアで今季初勝利(44-22)。
しかし前節は、豊田自動織機シャトルズ愛知に対してフィジカルバトルで後手に回り、3敗目(14-64)を喫した。
シーウェイブスのWTB小野航大キャプテンは、シャトルズ戦の敗因にまず「ディフェンス」を挙げた。
「ディフェンスで相手の勢いを止め切れず、スコアを重ねられてしまいました」
「ただボールを持っていればアタックできている実感があり、チャンスもたくさん作れました。後はトライを取り切るという精度の部分です」(シーウェイブス、WTB小野キャプテン)
今季初対戦となる浦安D-Rocksは、そのフィジカルが大きな武器。平均ゲインはD2トップの8.07だ(シーウェイブスは5.92)。
シーウェイブスは接点で互角以上に戦い、武器であるスクラム、アタック力で勝負したい。
釜石シーウェイブススターティングメンバー
今季2勝目を託された先発メンバーが発表されており、2週間前の前節から先発8人変更(FW5名、BK3名)。
FWを中心に大きくメンバーを変え、スクラム自慢のPR稲田壮一郎、宗像サニックスブルース出身のHO隈本浩太、LOセルジオ・モレイラ、そして両フランカーにタックラーのFL山田龍之介、FL武者大輔が入った。
バックスはSH南篤志が先発を託され、コカ・コーラ、宗像サニックスと渡り歩いてきたCTB石垣航平、青森出身の大型WTB吹越大清もスタメンに入った。
一方、2022年に千葉県浦安市を拠点とする新チームとして誕生した浦安D-Rocksは、ここまで4戦全勝。
選手の大多数は、昨季までNTTドコモレッドハリケーンズ大阪と、NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス東京ベイ浦安に所属。
主に2チームから選手が集まった集団が、レッドハリケーンズの指揮官だった名将ヨハン・アッカーマンHC(ヘッドコーチ)を筆頭にまとまっている。
28トライ、199得点はいずれもD2最多。高い攻撃力を持つが、タックル成功率88%もD2最高。攻守にバランスの取れた粘り強い強豪だ。
しかし前節の日野レッドドルフィンズ戦は窮地だった。
試合直前のメンバー変更、風下の後半早々にレッドカードで14人となるなど逆風が吹いた。しかし14人でも得点ペースは落ちず、41-26で4勝目。
浦安D-Rocksのゲームキャプテンを務めたFL中島進護は試合後、「厳しい状況に対しても14人でやれることを証明できました」とハードワークを誇った。
浦安D-Rocksスターティングメンバー
今節は、初先発メンバーも多かった3週間前から、メンバー11人(FW7人、BK4人)を変更。
ハードワークするLO小島佑太、LO金嶺志が入り、守備に長けるFLタイラー・ポール、NO8ジミー・トゥポウが先発に。
また、リザーブにはアーリーエントリーされた早稲田大学のSH小西泰聖が入った。出番があれば今季初出場、リーグワンデビューだ。
浦安D-Rocksは先発経験の豊富なメンバーを並べており、シーウェイブスにとっては最高の腕試しの相手だ。
前節のシーウェイブスは序盤からモメンタム(勢い)を作られた。まずは序盤戦の攻防でしっかりと対抗したい。
セットプレーでは、特にラインアウトの安定性を高めたいところだ。スクラムは武器であり、同じく徹底的にスクラムを強化する浦安D-Rocksとの対決はどうなるか。
金曜日の関東地方は雪予報も。翌土曜日のコンディションは気になるところだが、果たして。
今週はディビジョン1が休養週。注目度が高まる一戦で、両軍は実力を広くアピールしたいところだ。
浦安D-Rocksの全勝街道は続くのか。シーウェイブスの荒波が岩を砕くのか。要注目だ。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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