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ラグビー コラム 2022年12月5日

【ハイライト動画あり】ひたむきな両チームの激闘。 京産大、2年連続6回目のリーグ制覇

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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ラグビー 関西大学リーグ2022

【ハイライト動画】近畿大学 vs. 京都産業大学

アサエリ・ラウシー(京都産業大学)

「前半は受けてしまった。後半は京産大らしく、ダイレクトなプレーで前に出ようと話しました」(京産大FL福西隼杜キャプテン)。その言葉通り、後半になると京産大の勢いが変わった。開始1分、相手キックを待ち受けていたLOアサエリ・ラウシー(4年)の前でバウンドが変わったが、味方の確保してくれたボールに躊躇せず走り込んでトライし、20-13。11分には自陣からのハイパントのボール処理を近大がもたつく間にWTBシオネ・ポルテレ(1年)がトライ。全員が迷いなく前に出る京産大に楕円球の転がりも味方し始めたようだった。

シオネ・ポルテレ(京都産業大学)

圧巻のトライは後半36分だ。京産大はSO西仲が自陣インゴールに立つピンチから仕掛け、ゴールライン付近でボールを受けたポルテレが地響きのするような突進で次々にタックルをかわし、一気に相手陣に入ると最後は近大のディフェンダーの間をCTB高井良成(3年)がスキーのスラロームのように駆け抜けたのだ。これでスコアは、37-13。近大の望みを打ち砕くトライだった。

勝負は決まった。しかし、両チームが結束の強さを見せたのは、その後だ。選手権出場が絶望的になった近大だが、最後まで攻め続けて交代出場のSH福山太陽(3年)がトライをあげる。蹴れば試合が終わるゴールを、SO半田が左コーナーの難しい位置から慎重に狙う。そのゴールに対して、京産大はゴールラインから全員がチャージに走った。事前に連覇が確定していた試合で全員が手を抜かずに走り続ける。ひたむきに戦うことを信条とする京産大の魂がそこにあった。

敗れた近大のキャプテン中村健志は言った。「後輩につなげられるゲームができたと思います。この悔しさを来年につなげてほしいです」。花園ラグビー場にもっとも近い英田中学でラグビーを始め、地元の近大でプレーすることを夢見たキャプテンは気丈に話した。互いにノーサイドの瞬間まで全力を尽くす、立派な戦いだった。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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