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【第12節ハイライト】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs. 横浜キヤノンイーグルス|ジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1
17分、マレーが40m以上のロングPGを決めて20-14。このPGについて、沢木敬介監督は「相手がシンビンのときは3点でももぎ取る。スコアをするのがラグビーの鉄則です。リーダー陣がそれを理解して、コントロールできたことは大きい」と話した。勢いに乗ってトライを狙うのではなく、確実に点差をつけてプレッシャーをかける。落ち着いたゲーム運びにチームの成長が垣間見えた。横浜Eは、後半30分にもマレーがPGを追加し、23-14と、1トライ、1ゴールでは追いつけない点差に引き離す。そして、38分、ラインアウトからモールを押し込んで、交代出場のPR五十嵐優がトライ。勝利を決定づけた。「モールは今季の武器。めちゃくちゃ時間をかけて練習してきました。佐々木隆道コーチに感謝です」(HO庭井祐輔)。プレーヤーオブザマッチは、FBエスピー・マレー。PKからの正確なタッチキック、プレースキック、そしてチャンスの芽を摘むジャッカルと、獅子奮迅の活躍だった。熾烈なトップ4争いの中で上位を倒したことは計り知れない価値がある。なにより、前半の苦しい時間帯を耐え、後半に突き放すという試合展開は、チームとしての自信を深める内容だった。横浜キヤノンイーグルスの歴史の中でも大きな勝利と言えるだろう。
一方、敗れたS東京ベイは、後半、相手陣で戦った時間が少なく、フィジカル面の強みも出すことができなかった。後半のペナルティーは、横浜Eの2に対して13にも及んだ。立川理道キャプテンは次のように語った。「なかなかペースをつかめない80分でした。うちの大きなFWを前に行かせてあげられなかった。キヤノンはうまくゲームをコントロールしていて、学びがありました」。勝ち点はあげられず、3位に後退したが、4位の横浜Eの勝ち点とは、まだ8点の差がある。学びを次に生かしたい。
文:村上 晃一
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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