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ラグビー コラム 2021年8月3日

決闘、ケープタウン。 ~必見! ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ対南アフリカ~

be rugby ~ラグビーであれ~ by 藤島 大
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そして勝ったあとは謙虚だった。優勝後の表彰セレモニーでキャプテンのシヤ・コリシに「ともにカップを掲げてほしい」と頼まれたのに断った。舞台上の記念撮影では左の隅に小さく写っている。のちに明らかとなるが、期間中、「自己免疫疾患」というやっかいな病とこっそり戦っていた。チーム内でもごくごく少数の人間しか知らなかった。

昨年2月、それこそSNSで大会におけるチームトークの一部映像を公開した。密室で選手を鼓舞する言葉だ。

「個人のスタッツなんか気にするな。自分のことはどうでもいい」。ホワイトボードを背にかみしめるように発声する。「120回のタックルで80回成功したほうが50回で4回だけのミスよりも上なのだ」。

こんなことも言った。「南アフリカの社会で起きていることを考えたら、いまの大変な思いなど苦しみのうちに入らない」。エラスマス自身の代表現役時代のあやまちも隠さずに述べる。いわく「チームのウイルス(!)に近かった。練習では不平分子だ。ワイフですら『あなたは悪い人だった』と明かしたくらいだ」。

同じ人物が露骨なレフェリー批判で名声を汚す。ラグビーのコーチの「善と悪を隔てる皮膜」は案外薄い。もっとも本人には織り込み済みの気配もある。非難の矢をすべて自分に向けさせ、実利を得つつ、現場の指導陣や選手を守る。心理戦には先手の強みは確かにあって、ブリテイッシュ&アイリッシュ・ライオンズ陣営は相手の不行跡に対してストレートにやり返すわけにもいかず「よい子でなくてはならない」という息苦しさを覚える。

さて決闘の行方は。世界チャンピオンと英国およびアイルランドの選りすぐり。どちらに傾いても、ほぼ互角と見るのが当然で、なるほど、それぞれのチーム、おのおのの選手の心理のありか、レフェリーの笛のあれこれが生死を分けそうだ。マインド・ゲームの忍び込むスペースはどうしても存在する。

公式のメンバー発表の2日前に書いている。現地では、スプリングボクスの本来のナンバー8、ワールドクラスのドウェイン・フェルミューレンが「足首の負傷から月曜の練習に復帰」と報道された。もしコンディションが整い出場可能なら南アフリカ国民には朗報である。ここまで代わって8番を背負った初戦のクワッガ・スミス(ヤマハ発動機ジュビロ)、2戦目のヤスパー・ヴィサは、キックオフ、リスタート、ハイパントの空中戦で標的とされ、やや精彩を欠いた。

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