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2戦目で途中退場のこちらもワールドクラス、身長2mのピーター=スティフ・ドュトイの状態も影響するが、最終戦は、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズがいかなる編成をしようと、 FW第3列の「高さを含む強さ」のバトルが白黒を決めそうだ。スプリングボクスはドュトイかフェルミューレンの少なくともどちらかがフィールドにいないと迫力を欠く。
ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは2戦目で劣勢だったキック処理とそこからの攻防、後半ことに乱れたスクラムの修正に励んでいるはずだ。15番にキックをうまく捕るウェールズのリアム・ウィリアムズを起用すべきとの意見は各方面より盛んだ。
南アフリカは「キックばかりの退屈戦法」に徹して動じない。動くのはブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのほうだ。真っ向勝負か。スキルフルな布陣を組んで美しく勝利を追うのか。背番号10にスコットランドのフィン・ラッセルを起用するなら後者である。あえてイングランドのオーウェン・ファレルを10番の王様と遇して、ダイレクトな肉弾戦を仕掛けるのもひとつの手かもしれない。衝突でゆずらなければ、選ばれし者どもの芸術性は自然に噴き出る。
最後に注目の男を。スプリングボクスのロック、ルード・デヤハー。205cm、112kgの巨漢は第2戦の途中から出場、たちまちモールとスクラムの安定をチームに与えた。みんな大男なのに大男の中の大男がいるといないでは大きく違った。
文:藤島 大
藤島 大
1961年生まれ。J SPORTSラグビー解説者。都立秋川高校、早稲田大学でラグビー部に所属。都立国立高校、早稲田大学でコーチも務めた。 スポーツニッポン新聞社を経て、92年に独立。第1回からラグビーのW杯をすべて取材。 著書に『熱狂のアルカディア』(文藝春秋)、『人類のためだ。』(鉄筆)、『知と熱』『序列を超えて。』『ラグビーって、いいもんだね。』(鉄筆文庫)など。 ラグビーマガジン、週刊現代などに連載。ラジオNIKKEIで毎月第一月曜に『藤島大の楕円球に見る夢』放送中。
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