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ニュージーランドの貫禄か。アイルランドの魂か。ラグビーワールドカップ日本大会・準々決勝 ニュージーランド vs. アイルランド プレビュー
ラグビーレポート by 多羅 正崇いよいよ8強による決勝トーナメントが始まる。負ければ終わりのノックアウトステージだ。一瞬も見逃すことはできない。
10月19日(土)、東京スタジアムでは、ラグビーワールドカップ(W杯)3連覇を狙うニュージーランド(世界ランキング1位)と、アイルランド(同4位)が準々決勝で激突する。
9大会連続出場のアイルランドだが、W杯の過去最高成績はベスト8。今大会こそ「準々決勝の壁」を突破したかったが、プールAで日本に敗れたことで2位通過となり、2連覇王者のニュージーランド代表“オールブラックス”と対戦することになった。
ただ2013年就任の知将ジョー・シュミットHC(ヘッドコーチ)は「オールブラックス・キラー」とも言える。
2016年には1905年の初対戦から111年目にして初勝利。同年に地元ダブリンで敗れはしたが、2018年のダブリンでの再戦では16-9でリベンジした。シュミットHCは、アイルランドが111年間勝てなかったオールブラックスに2度も勝ったのだ。
ニュージーランドのスティーブ・ハンセンHCは試合前、アイルランドの強さについて問われ、こう答えた。
「粘り強く、組織化されたゲーム運びが特に素晴らしい。ミスから相手にチャンスを与えることが少なく、ボールの保持がうまい。キックでは相手にプレッシャーを掛け、自由にプレーをさせない」
粘り強く組織化されたアイリッシュマン達は、大一番でどんな戦いを見せるのか。
先発メンバーを見てみると、1週間前のサモア戦から3人を変更。猛タックラーのFLジョシュ・ファンダーフリーアー、ライン突破に長けるCTBギャリー・リングローズ、そしてFBロブ・カーニーが先発復帰した。
ちなみにサモア戦で危険なタックルをしたCTBバディー・アキは、3試合の出場停止処分。アキのルーツ国でもあるサモア側から、寛大な処分を願うメッセージが発信されていたが、前例に沿う形の処分が下された。
アイルランド代表として124キャップ目を獲得するのはHOロリー・ベスト主将だ。オールブラックス戦へ向けて意気込みを語った。
「状態がどうかはプレーするまで判断は難しいが、良好なコンディションだと思う。すべては19日、どちらのチームがゲームプランをきちんとやり遂げ、負ければ敗退というプレッシャーに打ち勝つかだ」
一方のニュージーランドは、イタリアとのプール最終戦が台風の影響により中止となったため、ナミビア戦から中12日という準備期間を得た。日程面では中6日のアイルランドよりも有利だろう。
しかし勝つことが使命であるオールブラックスに油断はないはずだ。オールブラックスの目的はW杯3連覇であり、ここで敗れれば母国民は悲嘆に暮れる。
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