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4月6日(土)、前節アウェイでワラターズを下したヒトコム サンウルブズは、そのままアウェイで同じオーストラリアカンファレンスのレベルズと対戦した。
現在、2勝5敗・総勝点10で同カンファレンス最下位のサンウルブズ。4勝2敗・総勝ち点18でトップのレベルズとは勝ち点8差だけに、勝利して上位グループ追いついていきたい大事な試合となった。
敵地での初勝利を目指したサンウルブズ、FW(フォワード)は前節に続いて、FL(フランカー)ダン・プライアーがゲームキャプテンを務め、元日本代表LO(ロック)トンプソン ルークが3節以来の先発復帰。LOコンビを組むマーク・アボットが初先発。
負傷したNO8(ナンバーエイト)ラーボニ・ウォーレンボスアヤコに替わってツイ ヘンドリック、FLにはベン・ガンターが先発に入った。
BK(バックス)では前節のリーグ全体の「ベスト15」に選出されたSO(スタンドオフ)ヘイデン・パーカーや絶好調のWTB(ウィング)セミシ・マシレワ。
そして、日本代表候補メンバーであるSH(スクラムハーフ)茂野海人、CTB(センター)立川理道、FB(フルバック)山中亮平をはじめ、まったく同じ布陣で挑んだ。
一方、レベルズは好調を維持しており、2011年にレッズを優勝に導いた経験豊富なSHウィル・ゲニアと、SO(スタンドオフ)クエイド・クーパーのハーフ団がチームの頭脳であり中心だ。
他にもWTBマリカ・コロインベテ、ジャック・マドックス、FB(フルバック)リース・ホッジとワラビーズでもお馴染みのメンバーが揃った。
FWではPR(プロップ)テテラ・フォークナー、ジャーメイン・アインスリー、LOマット・フィリップといったオーストラリア代表経験者を並べた。
また、日本代表候補のCTBウィリアム・トゥポウの弟、WTBセミシ・トゥポウ、サントリーでプレーしていたCTBキャンベル・マグネイがリザーブ入りを果たした。
トニー・ブラウンHC(ヘッドコーチ)が「今週もいい準備ができた。先週の勢いを継続して、いいパフォーマンスを発揮できる」とサンウルブズは自信を持って試合に臨んだ。
しかし、前半はホームのレベルズに主導権を握られる。ボールを継続されて、7分にFBホッジに先制トライを許してしまう。
サンウルブズは14分にパーカーがPG(ペナルティゴール)を決めたが、16分にはターンオーバーから再びFBホッジにトライを喫して3-14。
さらに25分にはキック処理でミスしてしまい、その隙を突かれてCTB(センター)ビル・ミークスにトライを献上。3-21と大きくリードされてしまった。
サンウルブズも反撃に転じる。31分、ゴール前スクラムから左に展開しWTBマシレワがダイブしてグラウンディング。SOパーカーのゴールは今シーズン初めて外れてしまったが、8-21と追い上げる。
しかし、前半終了間際、レベルズのSOクーパーにスクラムから一発で取られてしまい、8-28とリードされてハーフタイムを迎えた。
前半、なかなかリズムが出なかったのは、この試合54%の成功率だったマイボールラインアウトだった。
そのためサンウルブズのブラウンHCは、「強みであるキックを使おう」と後半はキッキングゲームとクイックタップを使い、なるべくラインアウトを減らす戦略に変えた。
それが功を奏して、後半2分、ボールを左に展開し、最後はNO8ツイのオフロードパスがWTBマシレワに通って今日2つ目のトライ、SOパーカーのゴールも決まって13-28と追い上げる。
フレッシュレッグズも投入したサンウルブズのアタックのプレッシャーの前に、レベルズも反則を多発し後半20分まで相手陣奥深くで戦い、ペースをつかんだ。
しかし、途中出場のLOグラント・ハッティングがもう少しのところでグラウンディングできなかったなど、ゴールラインが遠かった。
後半20分以降は、やや攻め疲れが見えたサンウルブズが反則やミスを犯してしまい、相手にチャンスを与える。
21分にはFBホッジにハットトリックとなる3本目のトライを許し、28分にはラインアウトからSHゲニアに中央突破を許して、終わってみればサンウルブズは15-42と大差で敗れた。
レベルズは3トライ差以上のボーナスポイントを含めて勝ち点5を獲得し、総勝ち点23としてカンファレンス首位を守った。一方のサンウルブズは勝ち点を挙げられず、総勝ち点は10のまま。
開幕から8試合連続の試合であり、しかもカンファレンス首位の強豪と対戦し、前半4トライを許したこと。また、アタックの起点であるラインアウトが半分、取れなかったことが大きく響いた。
それでも後半、13点差の時に1トライが取れれば試合は、まだまだどうなるかわからなかっただけに、悔しい敗戦となった。
レベルズのゲームキャプテン、FLアンガス・コットレルは「後半、先に点を取られたが、そこから落ち着いて相手に点を取らせなかったのが良かった」。
「クイックタップを使って来るので警戒していたが、後半も崩れず試合ができて、勝つことができた」と胸を張った。
サンウルブズのブラウンHCは「ミスが多く、集中力を欠いたところからトライを取られる場面が多かった。プレッシャーを受けてしまい、自分達のやりたいプランを実行することができなかった」。
「また、ラインアウトも確保できなかった。ボールをしっかり保持してゲームのスピードを上げ、そして生まれてくる機会を使ってトライをとっていく。そういったことが今日の試合ではできなかった」と肩を落とした。
プライアー ゲームキャプテンも「ラインアウトでかなりプレッシャーを受けてしまいました。そしていくつかコールを間違えてしまうという状況がありました」。
「フィールド上で話して、簡単なサインに変えるといった修正も行いましたが、遅すぎたというわけではなかったですが、挽回するための十分な時間はなかった」と悔しい表情を見せた。
ただ、やっとサンウルブズは、次節は「BYE WEEK」(休みの週)となる。今日の試合で2トライを挙げたWTBマシレワがが「今日の敗戦は非常に残念ですが、BYE WEEKでしっかりリフレッシュして、次戦に挑みたい」。
ブラウンHCも「来週はBYE WEEK なので、しっかり休みをとって、次戦で戦うハリケーンズ戦に向けて準備し、勝ちにいきたい」と言うように、1週身体を休めて、ホームでの連戦に控えてほしい。
レベルズは4月12日(金)の第9節、南アフリカのストーマーズと再びホームで対戦する。
一方のサンウルブズは前述の通り、第9節はBYE WEEKとなり、19日(金)の第10節はハリケーンズ、26日(金)の第11節はハイランダーズとニュージーランドの強豪を迎える。
ブラウンHCが「しっかりと準備すればどんな相手でも勝てる」と自信をのぞかせれば、WTBマシレワが「次戦は東京でのホームですが、多くのエキサイティングなファンの前で戦う事は、チームのエナジーを高めてくれます」。
その言葉通り、サンウルブズサポーターの声援を背に、ホームでの連戦で連勝を狙ってほしい。
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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