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モーター スポーツ コラム 2025年6月3日

2025年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア“連続グラベル第2戦”

Mr.フクイのものしり長者 de WRC ! by 福井 敏雄
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前戦ポルトガルを皮切りにグラベルが続きますが今回は地中海最大の島サルディニアを舞台とする過酷なラフグラベル戦です。ポルトガルではこの時期としては珍しく天候が不安定でポルトガル名物の砂ホコリも例年より少なかったように思えました。バカンスの名所サルディニアは通常好天が期待できるので比較的柔らかな悪路路面、その下に隠れるこぶし大の石ころ、それにミッキージャンプと呼ばれる周期の短い激しいジャンプ、ウォーター・スプラッシュ、高温による車両不調やドライバーの疲労など大変過酷なイベントです。

ラリー・イタリアの起源は1928年に創設されたフラワー・ラリーとして本土のサンレモで行われました。1973年WRC発足以来のメンバーです。開催時期が欧州のバカンス時期と重なり交通渋滞を引き起こすため2004年からサルディニア島に移転しました。この年の優勝者はスバルのペター・ソルベルグでした。メーカー別の優勝回数では、ランチア全盛時代に5回、ロウブ全盛時代のシトロエンが6回、直近10年ではヒョンデが6回優勝で圧倒的強みを発揮しています。トヨタはセリカ時代の1994年と2021年のヤリスで優勝していますがこのラリーとはあまり相性が良くないようです。

今回のエントリーはRC1クラスが12台と華やかです。トヨタはエバンス、ロバンペラ、オジェに加え勝田とパヤリの5台フル参戦。ヒョンデは固定メンバーのヌーヴィル、タナク、フルモー。フォードはミュンスターとマカーリーンに加えセスクスとセリデリディス計4台の出場です。RC2ではオリヴァー・ソルベルグがヤリスRC2で頑張っています。

トヨタは本年開幕5連勝中ですがチャンピオンシップ・ポイントではそれほど大量リードしていません。サファリでは優勝こそしましたが他のトヨタ車はノーポイントであったのがひびいています。それにトヨタはサンデーポイントやパワーステージでの獲得ポイントがやや低めです。第5戦終了時のポイント・スタンディングスは下記のとおりです。

エバンス<118pt>、ロバンペラ<88pt>、オジェ<86pt>、タナク<84pt>、ヌーヴィル<78pt>,勝田<51pt>、フルモー<44pt>、パヤリ<25pt>、ミュンスター<18pt>
マニュファクチャラーポイントはトヨタ<258pt>、ヒョンデ<203pt>、フォード<72pt>となっています。

ラリー概要は下記のとおりです。

SS本数 SS km Liaison km Total km
L-1 (6/6) 6 120.70 km 337.57 km 458.27 km
L-2 (6/7) 6 121.60 km 346.90 km 468.50 km
L-3 (6/8) 4 77.78 km 187.49 km 265.27 km
Total 16 320.08 km 871.36 km 1192.04 km

昨年はL-1,L-2の中間サービスなしでしたが今年はサービス復活されました。これでリタイア数が大分少なくなるでしょう。

文:福井 敏雄

福井 敏雄

福井 敏雄

1960年代から欧州トヨタの輸出部員としてブリュッセルに駐在。1968年、トヨタ初参戦となったモンテカルロからラリー活動をサポート。トヨタ・モータースポーツ部のラリー担当部長、TTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)副社長を歴任し、1995年までのトヨタのWRC圧勝劇を実現させた。

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