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モーター スポーツ コラム 2023年10月31日

SUPER GT第8戦プレビュー|タイトル争いは、GT500クラスが三つ巴、GT300クラスが一騎討ちに!

SUPER GT by 秦 直之
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その差、20ポイント。奇跡は起こるか?

悲願のチャンピオンを目指す埼玉トヨペットGB GR Supra GT

第6戦SUGOの優勝でGT300クラスのランキングトップに立った、埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹/川合孝汰組が、前回のオートポリスでも勝って、悲願のチャンピオンに王手をかけた。前回のサクセスウェイトは半減されたといっても75kgに及び、昨年も勝っているコースではあったが、吉田自身、「450kmはオートポリスでは初めてだし、重くなっているから」と予選を予想していたが、まさに裏腹の展開となった。

吉田と川合を止められるのは、もはやmuta Racing GR86 GTの堤優威/平良響組だけで、20ポイントも離されているため、逆転の条件はポール・トゥ・ウィンのみで、しかも相手がノーポイントに終わった場合に限られる。逆の言い方をすれば、堤と平良がポールポジションを逃せば、土曜日のうちにチャンピオンが決まることになる。

だが、muta Racing GR86 GTがポールポジションを獲得する可能性は、決して低くない。9月上旬にGT300クラスはもてぎで合同テストを行なっており、その時に1分47秒707を記して最速だったのは、このマシンだからだ。もちろん、今年の9月といえば、まだ猛暑の盛り。今はもう、涼しいを通り越して寒いぐらいだから、気象的な条件は圧倒的に異なるものの、チームにはしっかりアジャストしてくるだけのポテンシャルがある。

しかし、埼玉トヨペットGB GR Supra GTはここまでの7戦でリタイアは一戦のみ。残る6戦はすべてポイント獲得に成功している。よほどのことがない限り、ノーポイントに終わる確率の方が圧倒的に低そうだ。

チャンピオンは獲れなかったからこそ、最後を勝って決めたいというチームは極めて多い。いや、思わないチームの方が圧倒的に少ないのでは? 昨年はARTA NSX GT3が勝っており、その意味では目下ランキング5位で、勝つかノーポイントのUPGARAGE NSX GT3の小林崇志/小出峻組。鈴鹿、SUGOと不運な展開が続き、連覇達成ならなかったリアライズ日産メカニックチャレンジGT-RのJ.P.デ・オリベイラ/名取鉄平組。雨にはめっぽう強いミシュランタイヤを履くStudie BMW M4の荒聖治/ブルーノ・スペングラー組は、このふたりで表彰台に上がったことはまだない。さらにはLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥/篠原拓朗組。蒲生の挙げた5勝のうち、3勝はもてぎで挙げているという相性の良さ。どのチームが勝っても、おかしくなさそうだ。

まずは両クラスともアクシデントなく、それでいてオーバーテイクの連続という展開を期待したい。劇的なチャンピオンも大いに希望! 誰もがすっきりと、シーズンを終えられれば最高である。

文:秦 直之

秦 直之

秦 直之

大学在籍時からオートテクニック、スピードマインド編集部でモータースポーツ取材を始め、その後独立して現在に至る。SUPER GTやスーパー耐久を中心に国内レースを担当する一方で、エントリーフォーミュラやワンメイクレースなど、グラスルーツのレースも得意とする。日本モータースポーツ記者会所属、東京都出身。

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