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モーター スポーツ コラム 2023年10月27日

2023“SF鈴鹿決戦”チャンピオン候補3|リアム・ローソン~夢にもう一歩近づくのに必要な“初のビッグタイトル”~

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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それでも、レッドブル側からの評価も高く、リザーブドライバーのポジションも継続。F1参戦への道が完全になくなったわけではない。レギュラーシートに近づいていくためにも、スーパーフォーミュラでのチャンピオン獲得は必須項目と言ったところだ。

F1でも実力の片鱗をみせた。

これまで各カテゴリーで活躍を見せているローソンだが、実はF3より上のカテゴリーでチャンピオンを獲得した経験がない。2021年のDTMも、シーズン中は安定した活躍を見せ、ランキング首位の状態で最終レースを迎え、ポールポジションからスタートを切ったが、他車の接触を受けて最後尾まで後退。ライバルに逆転されてしまった悔しい経験を持っている。昨年のF2に関しても、最終ラウンドで一気にポイントを伸ばしたが、チャンピオンには手が届かなかった。

やはりF1へステップアップするためにも、今回のタイトルは是が非でもほしいところだろう。

ある意味で、その想いが強く出たのが、前回の第7戦もてぎだったかもしれない。スタートで野尻に並ぶチャンスがあり、1・2コーナーで仕掛けにいったが、外側の縁石で挙動を乱してスピン。複数台が絡む多重クラッシュとなった。幸いローソンは自力でピットに戻り、チームが約20分でマシンを修復し、コースに復帰したが、結局そのレースはポイント圏外でレースを終えた。

「アグレッシブになりすぎた」とレース後は反省していたローソン。ただ、チャンピオン獲得に向けてチームとの絆が深まった瞬間でもあった。

「マシンの修復作業を見守りながら、『間に合うのかな』と不安な気持ちはあった。だけど、チームのみんなは本当に素晴らしい仕事をしてくれて、再開の20秒前くらいに僕を送り出してくれた。改めて、このチームの一員として走れていることに誇りを感じた」とローソン。

第5戦SUGOでは、戦略面で意思疎通がうまくいかず、5位でレースを終えるという悔しい経験をした。もちろん、レース後は怒りを露わにしていたことは言うまでもない。そこでチームとの間に亀裂が生じたかに一瞬感じられたが、同じことが2度と起きないようにローソン自身もチームとのコミュニケーションを密にし、次の第6戦富士で優勝。もてぎでは結果こそ残らなかったが、チャンピオン獲得に向けて15号車メンバーの一致団結感が増すこととなった。

リアム・ローソン(TEAM MUGEN)

そんな中で迎える鈴鹿決戦。他のドライバーと比べると日本での経験は浅いと言わざるを得ないが、その中で一番走行する機会が多かったのが、鈴鹿サーキットだ。宮田との8ポイント差を逆転して、国内トップフォーミュラで参戦1年目でのチャンピオン獲得は1996年(当時フォーミュラ・ニッポン)のラルフ・シューマッハ以来となる。

ストフェル・バンドーン、ピエール・ガスリーともに成し遂げられなかったデビューイヤーチャンピオンを達成できれば、来季以降の彼を取り巻く環境にも影響が出てくるはず。そのためにも、負けられない1戦に挑む。

文:吉田 知弘

吉田 知弘

吉田 知弘

幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ

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