人気ランキング
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
2023“SF鈴鹿決戦”チャンピオン候補3|リアム・ローソン~夢にもう一歩近づくのに必要な“初のビッグタイトル”~
モータースポーツコラム by 吉田 知弘それでも、レッドブル側からの評価も高く、リザーブドライバーのポジションも継続。F1参戦への道が完全になくなったわけではない。レギュラーシートに近づいていくためにも、スーパーフォーミュラでのチャンピオン獲得は必須項目と言ったところだ。
F1でも実力の片鱗をみせた。
これまで各カテゴリーで活躍を見せているローソンだが、実はF3より上のカテゴリーでチャンピオンを獲得した経験がない。2021年のDTMも、シーズン中は安定した活躍を見せ、ランキング首位の状態で最終レースを迎え、ポールポジションからスタートを切ったが、他車の接触を受けて最後尾まで後退。ライバルに逆転されてしまった悔しい経験を持っている。昨年のF2に関しても、最終ラウンドで一気にポイントを伸ばしたが、チャンピオンには手が届かなかった。
やはりF1へステップアップするためにも、今回のタイトルは是が非でもほしいところだろう。
ある意味で、その想いが強く出たのが、前回の第7戦もてぎだったかもしれない。スタートで野尻に並ぶチャンスがあり、1・2コーナーで仕掛けにいったが、外側の縁石で挙動を乱してスピン。複数台が絡む多重クラッシュとなった。幸いローソンは自力でピットに戻り、チームが約20分でマシンを修復し、コースに復帰したが、結局そのレースはポイント圏外でレースを終えた。
「アグレッシブになりすぎた」とレース後は反省していたローソン。ただ、チャンピオン獲得に向けてチームとの絆が深まった瞬間でもあった。
「マシンの修復作業を見守りながら、『間に合うのかな』と不安な気持ちはあった。だけど、チームのみんなは本当に素晴らしい仕事をしてくれて、再開の20秒前くらいに僕を送り出してくれた。改めて、このチームの一員として走れていることに誇りを感じた」とローソン。
第5戦SUGOでは、戦略面で意思疎通がうまくいかず、5位でレースを終えるという悔しい経験をした。もちろん、レース後は怒りを露わにしていたことは言うまでもない。そこでチームとの間に亀裂が生じたかに一瞬感じられたが、同じことが2度と起きないようにローソン自身もチームとのコミュニケーションを密にし、次の第6戦富士で優勝。もてぎでは結果こそ残らなかったが、チャンピオン獲得に向けて15号車メンバーの一致団結感が増すこととなった。
リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
そんな中で迎える鈴鹿決戦。他のドライバーと比べると日本での経験は浅いと言わざるを得ないが、その中で一番走行する機会が多かったのが、鈴鹿サーキットだ。宮田との8ポイント差を逆転して、国内トップフォーミュラで参戦1年目でのチャンピオン獲得は1996年(当時フォーミュラ・ニッポン)のラルフ・シューマッハ以来となる。
ストフェル・バンドーン、ピエール・ガスリーともに成し遂げられなかったデビューイヤーチャンピオンを達成できれば、来季以降の彼を取り巻く環境にも影響が出てくるはず。そのためにも、負けられない1戦に挑む。
文:吉田 知弘
吉田 知弘
幼少の頃から父親の影響でF1をはじめ国内外のモータースポーツに興味を持ち始め、その魅力を多くの人に伝えるべく、モータースポーツジャーナリストになることを決断。大学卒業後から執筆活動をスタートし、2011年からレース現場での取材を開始。現在ではスーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久、全日本F3選手権など国内レースを中心に年間20戦以上を現地取材。webメディアを中心にニュース記事やインタビュー記事、コラム等を掲載している。日本モータースポーツ記者会会員。石川県出身 1984年生まれ
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
FIA 世界耐久選手権(WEC) 2024 第3戦 スパ・フランコルシャン6時間レース(ベルギー)
5月11日 午後7:30〜
-
【限定】FIA 世界耐久選手権(WEC) 2024 第3戦・予選 スパ・フランコルシャン6時間レース(ベルギー)
5月10日 午後9:35〜
-
FIA フォーミュラE世界選手権 2024 第9戦・決勝 ベルリン(ドイツ)
5月11日 午後9:30〜
-
SUPER GT 2024 第2戦 富士スピードウェイ 決勝
5月4日 午後1:00〜
-
FIA フォーミュラE世界選手権 2024 第10戦・決勝 ベルリン(ドイツ)
5月12日 午後9:30〜
-
GTワールドチャレンジ・アジア 2024 第3戦 チャーン・インターナショナル・サーキット(タイ)
5月11日 午後4:50〜
-
WRC世界ラリー選手権 2024 Round5 ラリー・ポルトガル ライブステージ【SS11】
5月11日 午後5:00〜
-
GTワールドチャレンジ・アジア 2024 第4戦 チャーン・インターナショナル・サーキット(タイ)
5月12日 午後12:35〜
J SPORTSで
モーター スポーツを応援しよう!