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スーパーフォーミュラは新規ファン層獲得のために様々な試みを行っている最中。それゆえに今年からレースを観始めたというファンの方にとっては、初めて見るショッキングなシーンだったかもしれない。何より、ドライバー全員に大きな怪我なかったのが、不幸中の幸いだろう。
レース中も各所でアクシデントやピットでのミスなど、例年以上の暑さが悪さをしているかのような波乱の展開となった第7戦もてぎ。そのレースウィークで圧倒的な強さを見せたのが2021年・2022年王者の野尻だった。
野尻智紀(TEAM MUGEN)
3連覇を目指して迎えた今シーズンは、開幕戦から2戦連続でポールポジションを獲得すると第2戦では今季初優勝を飾り、順調なスタートを切ったかに思われた。しかし、第3戦鈴鹿から苦戦を強いられ始め、決勝ではSUPER GTでコンビを組む大湯都史樹(TGM Grand Prix)と接触しリタイア。第4戦オートポリスでは大会前日に肺気胸であることが判明し、レースを欠場することとなった。
第5戦SUGOから復帰を果たし2位表彰台を獲得するも、第6戦富士では8位に終わった。気がつけばランキング首位の宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)から25ポイントの差がついた。レース後のメディアミックスゾーンでも「(3連覇は)本当にまずい」という雰囲気を醸しだしていた。
一方、ランキング首位を争う宮田とローソンが1ポイント差に迫っているという状況だったこともあり、“今季のチャンピオン争いは宮田とローソンに絞られるのではないか”という見方をするファンや関係者が多かった。正直、筆者もここから野尻が巻き返すのは少々厳しいのではないか? そう予想する1人だった。
朝のフリー走行でトップタイムを記録した野尻は、ここ数戦の足踏みが嘘だったかのように予選でも力強い走りを披露。Q2では唯一の1分31秒台となる1分31秒955を叩き出し、今季3度目のポールポジションを奪った。
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