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モーター スポーツ コラム 2019年11月29日

中嶋大祐が現役引退、苦労人がラストランで手にした“最後のご褒美

モータースポーツコラム by 吉田 知弘
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「若い頃はあまり難しく考えていなくて(プレッシャーとか)そんなことは思ったこともなかったんです。でも、だんだん歳をとってくるにつれて『そういうことか……』と感じるようになったいうか、改めてふたりの凄さを実感しました。父があれだけ活躍して、兄も今活躍しています。そこで当然自分の結果とも比べてしまいます。あえて自分がレースを続けなくてもいいかなと思うのは……やっぱりその存在(父と兄)があります」

そう語った大祐だが、あくまで“30歳で区切りをつける”ということが引退の一番の理由だったという。

「自分の人生設計の中のひとつです。30歳以降も(レーシングドライバーを)続けるのかどうかをずっと前から考えていて、このタイミングで区切りをつけることにしました」

今季のSUPER GTでは4度の入賞を果たすもシリーズランキングは15位と低迷。自身の心の中では早い段階から“今年が最後”と決めていたそうで、特にドライビングの部分では極限まで切り詰める走りをしていたというが、結果だけを見れば悔しさしか残らないシーズンとなってしまった。ただ今年はDTMとの特別交流戦が開催されるため、これが彼にとっての「引退レース」となったのだが……このレースウィークも災難から始まった。

大雨となった22日(金)のフリー走行1回目でチームメイトの武藤英紀が300Rを走行中にウエット路面でマシンがコントロール不能状態に陥り、アウト側のタイヤバリヤにクラッシュ。マシンが大破してしまった。

幸い武藤に大きな怪我はなかったが、マシンの損傷はかなり酷く、急きょ車両交換を行うことになった。しかも、ただ車両を交換するだけでなく、レースに出走できる状態にするには相当な作業が必要で、チームは夜を徹して修復作業に取り掛かった。その結果、23日(土)朝には見事16号車が復活。車両交換により2レースとも5グリッド降格ペナルティを受けることになったが、レース2を担当する大祐は無事に最後のレースのグリッドにつけることとなった。

そして迎えた24日(日)朝のレース2予選。前日からの雨で路面はウエットコンディションとなったが、そこで大祐は他を圧倒する走りを披露。最後のアタックで1分46秒696で予選トップタイムを記録したのだ。国内トップカテゴリーに上がってから予選で最速タイムをマークするのは初めてのことだった。セッション終了後、マシンを降りてきた大祐は公式映像のインタビューで「ちょうど良い機会なのでご報告します。今回のレースが僕にとって(ドライバーとしての)最後のレースとなります」と、そこで突然引退を宣言したのだ。

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