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そして、2つ目の要素は浦和の選手全員が落ち着いて守備のタスクをこなしたこと。
CBのアレクサンダー・ショルツとマリウス・ホイブラーテンの2人がしっかりと距離を保ちながらカバーし合い、ボランチの岩尾憲と伊藤敦樹の2人も最終ラインの前でスクリーンをかけ、そして、奪ったボールを前線につなげた。
アル・ヒラルの攻撃にチームの守備網が押し下げられたため、浦和の前線は孤立してしまったが、そんな中でも興梠はしっかりとボールを収めて味方を使ったり、相手のファウルを誘ったりして攻撃の起点を作り、さらにプレスバックして守備にも貢献した。
CBとボランチ、そしてワントップという“チームの中心軸”が安定したことによってアル・ヒラルの攻撃を封じることができたのだ(右サイドバックの酒井宏樹の存在も頼もしかった)。チームが崩れなかったのは、今シーズン新たに就任したマチェイ・スコルジャ監督がある程度メンバーを固定してチームを熟成させてきたことの成果でもある。
その後も、アル・ヒラルがボールを持つ時間は長かったが(ほぼ70%の保持率をキープ)、15分以降は浦和側のミスパスがあった時以外ではアル・ヒラルは決定機を生み出せなかった。そして、次第にボールを奪った浦和がパスをつなぐ場面も見られるようになっていった。
こうして、0対1で迎えた後半。やはり、立ち上がりはアル・ヒラルがフルパワーで攻め込む時間もあったが、すぐにスローダウン。浦和も鋭い反撃の姿勢を見せ始める。
そして、15分には相手のクリアを拾った伊藤から岩尾、大久保智明とつながり、大久保が相手守備ラインの裏を狙って走る興梠の前のスペースを狙って鋭いスルーパスを出すと、興梠と並走していたアリ・アル・ブライヒがクリアしようとしてミスキック。GKの横を通過ししたボールはゴールポストに当たって跳ね返る。そして、足を止めずに走り込んだ興梠がゴール中央に蹴り込んで同点に追いついたのだ。
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