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サッカー フットサル コラム 2023年3月7日

真の技術の応酬、勇敢であり続けた結果のスコアレスドローは楽しめる

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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両チームともそれがわかっているから、奪われたら奪い返すという、ボールの周りでプレスの掛け合い、かわし合いという状態がしばしば発生した。安全にクリアに逃げる手もあったが、どちらもそれをしなかった。密集状態の中で、ボールを持っている方は激しいプレスをかわして何とか繋ごうとした。

「プレスをかわす=相手の守備者を減らす」だから、抜け出せれば大きなチャンスに必ずなるからだ。

「時間とスペースのないところで使えるのが真の技術である」と言ったのはイニエスタだったか。その「真の技術」の応酬が昨夜は見られた。

ミスが命取りになる状況でミスをしないレベルの高さ。プレス対プレス、プレス対キープ、プレス対コンビによる打開などの様々なフェイズで、ボールロストは自分のミスというよりも相手のプレスが的中した結果として起こる。うまい、凄いの連続で退屈する暇がなかった。で、どっちかにボールが出たら直ちにカウンターが始まるのだ。

攻撃に人数を割く。プレスをかわして繋ごうとする。いずれもリスク大である。だが、リスクの大きさはスリリングさに比例する。

見応えのあるバトルを個対個で見せてくれたのが、ベティスのCFボルハ・イグレシアスとレアル・マドリーの右CBミリトンだった。

巨漢同士の激突。体を張ってボールをキープしようとする前者と、体をねじ入れて奪おうとする後者。「ハードなプレー」と「ラフなプレー」は紙一重だが、両者は非常にクリーンなファイトを繰り広げた。交代を告げられるとボルハは好敵手ミリトンに歩み寄り握手を求めた。このスポーツマンシップにあふれたすがすがしいシーンが、この中身の濃い引き分けを象徴していた。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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