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サッカー フットサル コラム 2023年1月17日

エンブレムへのキスは愛の誓い、久保建英がソシエダのヒーローになった瞬間

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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このままソシエダと久保の二人三脚が続けばレアル・マドリーの興味を引く可能性はあるだろう。ソシエダはスペインの地方クラブであり、レアル・マドリーは世界一、二を争うクラブである。CL優勝と、それに伴う世界的な名声はソシエダでは絶対に手に入らない。それはソシエダファンも、会長も、監督も承知しているだろう。

スペインのファンはリアリスティック(現実的)で、あり得ない夢を見ることはない。レアル・マドリーやバルセロナが生きているのが別世界であることは、100年間叩き潰され続けてきたことで血肉に沁み付いている。だから、選手がビッグクラブのオファーになびくことは理解できるし、フロントも残留工作よりも移籍金の吊り上げの方に腐心するはずだ。地方クラブが超一流選手を抱えることの宿命であり限界である。

だが、そうであっても、このまま久保の姿がソシエダファンの脳裏に焼き付いていくほど、喪失(移籍)は心により大きな穴を開けることになるだろう。

ファンに愛される、契りを結ぶとはそういうことである。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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