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サッカー フットサル コラム 2022年11月17日

献身が際立つ『火の国の摩天楼』。大津高校・小林俊瑛が備えるエースとキャプテンの覚悟 【NEXT TEENS FILE.|高円宮杯】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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191センチの長身が一際目を引くが、もちろんそれだけの男ではない。相手のディフェンスラインを巧みに突破する駆け引きも、ゴールの匂いを嗅ぎ分ける得点感覚も、そして前線から果敢に守備に奔走する献身性も持ち合わせているのだから、恐れ入る。

その上、今シーズンはチームを束ねるキャプテンも託されている。「監督から指名されました。チームをまとめていくのはちょっと難しいところもありますけど、そこは3年生全員で協力してやっているので、何とかやれていますね」。熱量を前面に押し出すタイプではないものの、常に安定したメンタルに裏打ちされた、チームメイトに与える安心感は唯一無二。より苦しい試合でこそ、9番の背中が仲間には大きく見えているはずだ。

求められる領域は、オフ・ザ・ピッチでの振る舞いにも及ぶ。「学校生活のメリハリのことも監督からはよく言われるので、そういうところとサッカーの部分を両立していく必要がありますけど、それはキャプテンの宿命だと思うので、しっかり受け入れてやっています」。その働きにはチームを率いる山城朋大監督も「小林はちゃんとリーダーシップを持ってキャプテンをやってくれていますね」と太鼓判。左腕に巻くキャプテンマークもすっかり板に付いている。

そんなリーダーとしての役割をまっとうしつつ、それでも小林が最も輝くのはペナルティエリアの中。既に今シーズンのプレミアリーグでは10ゴールを挙げており、その大半はワンタッチゴール。印象的だったのは第11節の履正社高校戦。エリア内へ走り込みながら、いったん止まってマーカーの視界の裏へ潜り、左からのクロスにフリーで合わせて、左足ボレーを叩き込む。

「最近はクロスの入り方をもう一度見直してやっているので、そういうところでは少し練習の成果は出たかなと感じています」と本人も納得の一撃。ここまで全ゴールの半分に当たる5ゴールは、味方のクロスに合わせたもの。高さと強さを最大限に生かした、いわゆる“型”を持っているのは、ストライカーとしての大きな強みだ。

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