人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2020年9月7日

後半立ち上がりに勝負をかけた判断力。天候まで読み切ったかのような川崎の勝利

後藤健生コラム by 後藤 健生
  • Line

ハーフタイムに2枚の交代を使った川崎は、大島が位置を下げて守田英正と2人で中盤を担う。そして、前線には小林悠を投入し、旗手怜央を右サイドに入れ、前半サイドにいた家長昭博が中央に移ってツートップ。「4−4−2」というよりも「4−2−4」の形で前線から相手DFや相手GKにもプレッシャーをかけ始めた。

川崎の前線からのプレッシャーは強力だ。単に相手のパスコースを限定するような追い方ではなく、相手ボールを奪いきってしまう、あるいは相手のDFやGKにミスを強いるような激しいプレッシャーをかけてくる。そして、前半と同じように左サイドからの攻撃で川崎は48分と50分に2点を奪ってあっさりと逆転してしまったのだ。

三笘のドリブル(2点目で左サイドを崩したのは大島のドリブルだったが)と前線からの激しいプレッシャー。これが、この日の勝負を決めた。

そして、この早い時間に勝負をかけて2点を奪ったのにはさらに大きな価値があった。

というのは、スコアが1対3となった直後に激しい雨が降り出したからだ。一時的には選手の姿が見えないほどの雨だった。

日産スタジアムのピッチはこの程度の雨ではビクともしないが、しかし、雨の中ではどうしてもボールコントロールが難しくなり、ミスも生じる。試合の流れが計算できなくなってしまうのだ。その雨は、試合終了まで続いていた。

雨がなければ、さらに得点が入って、2対5とか、3対6といったスコアになっていたかもしれない。いや、逆にスコアが1対1のまま雨に見舞われていたとしたら、さすがの川崎も本当に得点できたかどうか分からない。雨ではきちんと勝ち切れたかどうか分からなくなる。ミスで失点を強いられる可能性だってある。

だが、雨が降り始める前にスコアを1対3としておいたため、川崎はしっかりと逃げ切ることに成功したのだ。川崎のベンチが後半に激しい雨が襲ってくることを知っていたのか、知らなかったのか分からないが、いずれにしても後半の立ち上がりに勝負をかけた判断は大正解だった。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ