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サイクル ロードレース コラム 2025年5月14日

2年ぶりのジロ制覇へ向け視界は良好か?個人総合争いのポールポジションに位置するログリッチ|ジロ・デ・イタリア2025

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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第2ステージで早くもピンクジャージに袖を通したログリッチ

大会前のイメージに限りなく近い状況で走ることができている。ジロ・デ・イタリア2025の個人総合優勝最右翼にして、2年ぶり2回目の大会制覇を目指すプリモシュ・ログリッチレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)にとって、序盤戦の状況は相当に理想的な状況と言えるようだ。それは、自他ともに認めている。

総合優勝に向け好スタートを切ったログリッチ

本記は第4ステージ終了時に執筆しているが、この段階で個人総合で2番手につける。トップを行くマッズ・ピーダスンリドル・トレック)とは7秒差。もっとも、第2ステージ個人TTで好走し一度はマリア・ローザに袖を通したものの、早々に手放してプロトン統率から逃れられたあたりもプラス要素と言えるだろう。

チームのスポーツディレクター、パチ・ヴィラ氏は「第2ステージは総合系ライダーのコンディションを測る良い指標となると思っていた。誰がベストコンディションで、誰が大会中盤から後半にかけて追い上げてくるだろうか。それを見込むには良い機会で、私たちの思っていた通りになった」と満足する。

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そこで分かったのは、ヴィラ氏が誇るログリッチがいわば“予定通り”の強さにあること。その先制パンチは自信となり、ライバルたちへのプレッシャーとなったと見て良いだろう。

先は長いが、ひとまずは覇権争いのポールポジションに立った。どこでギアをトップに挙げるのか、またライバルたちのアクションにどこでどう対処するのか。第10ステージの28.6km個人タイムトライアルで、己の走りでもって優位な形を作り上げることだって考えられる。

盤石な体制でチームがログリッチをサポート

同郷のトラトニクをはじめ強力な布陣を揃えたレッドブル

彼を支えるアシスト陣の充実度にも目を向けておかねばならない。3年前の覇者ジャイ・ヒンドレーと、前回大会個人総合2位のダニエル・マルティネスもが控える編成は、誰がどう見たって「今大会の最高チーム」。ヒンドレーもマルティネスも置かれている状況を理解しており、「プリモシュに何かあれば僕たちがカバーする」と口をそろえる。最終盤にタフな展開が待っていた第4ステージをまとめたヤン・トラトニクはログリッチの親友であり、公私をともにする同じスロベニアン。穏やかに、それでいて力強く戦える環境がログリッチには整っている。

ただ、集中を欠くような走りだけは気を付けたい。これまで何度も落車で勝負をフイにしてきたし、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャではベン・オコーナーに6分30秒もの逃げを許し、総合での追い上げが難儀したことも忘れてはならない。

2度目のジロ制覇の後に見据えるのは「最大の目標」であるツール・ド・フランス

とはいえ、百戦錬磨のログリッチである。今の段階から「このジロを勝ちそうだ」と言い切るのはさすがに早計だが、好況にあるのは間違いない。予想のはるか上を行く強さで、ライバルを広く注視できる順位とタイム差もある。ここからの走りで、ログリッチの真骨頂が見られるだろう。そして、その先にはグランツール連戦を予定するツール・ド・フランスでの活躍にもつながっていく。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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