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サイクル ロードレース コラム 2024年3月13日

【Cycle*2024 ティレーノ~アドリアティコ:レビュー】ヨナス・ヴィンゲゴーが山岳で本領発揮 圧巻の個人総合優勝でタイトルリストに新たな勲章を追加

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ティレーノ〜アドリアティコ

ポイント賞を手に入れたミラン

「このオフはスプリントトレーニングを行わなかったんだ。クラシックレースに向けた強化をしていたのだけれど、今日の結果でスプリント力が落ちていないことが証明できたよ」(ヤスペル・フィリプセン)

そのフィリプセンが最終コーナーで落車に見舞われた第3ステージは、最終局面で唯一トレインを組んでいたバーレーン・ヴィクトリアスがフィル・バウハウスを放つことに成功。バウハウスにとっては、昨年のツアー・ダウンアンダー以来1年ぶりの美酒を味わった。

「チームみんなが僕が勝てると信じてくれていた。今日の勝利は間違いなく彼らのおかげ。厳しいスプリントだったけどトライして良かった」(フィル・バウハウス)

アペニン山脈を越えてアドリア海に達した第4ステージでは、長くレースをリードしたヨナス・アブラハムセン(ウノエックスモビリティ)が逃げ切りをかけて驚異の粘り。残り2kmで10秒を切っていたタイム差は最後の数百メートルまで変わらず。しかし、スプリンターたちが加速を始めると同時にアブラハムセンを猛追。フィニッシュ前50mでついに先頭交代、そしてジョナサン・ミラン(リドル・トレック)が勝ち名乗りを上げた。

これで完全に流れをつかんだミランは山岳2日間を乗り切り、最終の第7ステージでも快走。ソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックスモビリティ)のアタックで生まれた差をみずからの脚で埋め、スプリント態勢に入ると再びペダルに力を込める。脚の違いを見せつけて今大会2勝目、そしてポイント賞を確定させた。

「最終日まで脚を残しながら走り続けられたことは、僕にとって大きな経験になるだろうね。ポイント賞までついてきて、スペシャルな1週間になったよ。今までの取り組みが間違っていなかったと分かってとてもうれしい」(ジョナサン・ミラン)

最終的に、ヴィンゲゴーが個人総合と山岳賞、ミランがポイント賞、アユソがヤングライダー賞と、今大会の顔となるべく選手がその力を証明。激動の1週間を終えた。

また、新城幸也は最終ステージの途中で役割を終えてバイクを降りたが、第3ステージでのバウハウス勝利などチームに貢献。「不本意な形で終わってしまい、浮き沈みの激しい1週間だった」と振り返るが、調子自体はよく、今後のレースにつなげていきたいとしている。

ティレーノ~アドリアティコを終えたイタリアのレースシーンは、ミラノ~トリノ、そしてミラノ~サンレモと格式高きワンデーレースへと移っていく。主要ステージレースはスペインでのボルタ・ア・カタルーニャやイツリア・バスクカントリーが控えており、ライダーたちはそれぞれの目標や脚質に合わせ、それぞれの“持ち場”で役割を果たすことになる。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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