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サイクル ロードレース コラム 2023年10月11日

【ジャパンカップサイクルロードレースを走るスーパースター:ジュリアン・アラフィリップ】2度の世界王座、衝撃のマイヨ・ジョーヌマジック。フランス国民の夢を背負う「本能の走り」の体現者

サイクルNEWS by 福光 俊介
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2014年にプロライダーとしてのデビューを果たし、早くから世界の一線級と肩を並べて走るようになった。それでいながら、大事なレースではあと一歩のところで勝利を逃すことも多く、ビックタイトルに縁のない時期が続く。

転機は2019年シーズンだった。ワンデーレース(1日で完結するレース)最高峰の1つ、ミラノ~サンレモ(イタリア)で優勝。格式高きレースをモノにすると、同年のツール・ド・フランスで世界を驚かせる。第3ステージを勝ってマイヨ・ジョーヌ(所要時間の合計が最も短い選手に着用資格が与えられるスペシャルジャージ)に袖を通すと、14日間それを守り続けた。

ツールを制するには、平坦・丘陵・山岳・タイムトライアル(ひとりずつコースへ出て走行タイムを競う種目)すべてでハイクオリティの走りが求められる。どれかひとつに特化しているだけでは勝てないし、極端なウィークポイントがあっても勝てない。アラフィリップは山岳やタイムトライアルをさほど得意としていないが、このときばかりは驚異的な粘りを見せて、最後まで優勝争いに加わった。その姿は「マイヨ・ジョーヌマジックの典型例」にも挙げられ、ツールのトップを走ることで持っている以上の力を発揮できる不思議な魔力に憑りつかれたと、関係者やファンは目を見張った。

結果的にそのときのツールは勝てなかったけど、「トップ・オブ・トップ」の地位に彼が就いたことは誰もが認めた。翌2020年には、これまたワンデーレースの最高峰であるロード世界選手権を制覇。1日勝負のレースを勝つには、攻撃すべきタイミングを読む瞬時の判断力と、ライバルを引き離す圧倒的なパワーとスピードが求められる。それが冴えに冴えたアラフィリップは、2021年も勝って2連覇。自転車競技は毎年世界選手権を行っており、意味合いとしては「その年の世界王者を決める戦い」である。とはいえ、国を挙げての対抗戦である点でいえば、サッカーW杯や野球世界一決定戦のワールドベースボールクラシック(これらは4年ないし数年おきの開催かつチームスポーツではあるが)にあたると見ることができる。アラフィリップは、名実ともに世界の頂点に立った。

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