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サイクル ロードレース コラム 2023年10月10日

【ジャパンカップサイクルロードレースを走るスーパースター:クリストファー・フルーム】4度のツール・ド・フランス総合制覇、今は大けがからの復活途上。宇都宮で不死鳥伝説を描けるか

サイクルNEWS by 福光 俊介
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14歳のときに南アフリカ・ヨハネスブルグに移住。自転車競技にも一層熱を入れ、チームキャプテンを務めるまでになる。ヨハネスブルグ大学では経済学を専攻。競技と学生生活の両立にも励んだ。

サイクルロードレースでプロを目指すきっかけとなったのは、ある日所属チームから贈られた黄色いジャージ(サイクルウェア)だった。受け取った瞬間は「なぜプレゼントされたのか分からなかった」(フルーム談)というが、のちにそれがツール・ド・フランス王者の証「マイヨ・ジョーヌ」であることを教えられる。目指すべき未来が決まった瞬間だった。

競技活動に注力するようになってからは、ケニア代表としてロード世界選手権の年代別部門を走ったりもしていたが、2007年に正式にイギリス国籍に変更。といっても、前述したバックボーンからケニアとイギリス両国のパスポートを所持しており、両親の祖国を選んだというのが実際のところ。今も、ナイロビでみずからの可能性を見出したデイヴィッド・キンジャー氏(51歳の今もケニア代表を狙える走力の持ち主とか!)への恩は強く、頻繁にコンタクトを取り合っているという。

大好きな日本で復活劇を!

笑顔で手を振るフルーム

笑顔で手を振るフルーム

日本との縁も深く、サイクルロードレース界きっての親日家だ。

初来日した2007年には、ツアー・オブ・ジャパン第6ステージで独走勝利。その後の大活躍の礎となったことは、本人も認めている。

ツールを制するようになってからは、「ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」に何度も参戦。前述した2019年の大けがの際には、回復途上にもかかわらず来日し、元気であることを日本のファンにアピールした。

そんな大好きな日本で、もうひと花火打ち上げられるだろうか。苦戦が続いているこの数年、若い選手の台頭もあってビッグレースへの出場機会が減りつつあることは否めない。今年はツールのメンバー入りも逃してしまった。現在所属するイスラエル・プレミアテックのオーナー、シルヴァン・アダムス氏(イスラエル系カナダ人の大富豪)は「戦力としてチームに迎え入れたが、期待通りの走りはできていない」と手厳しい評価。「このままでは大事なレースには使えない」とまで。

まさに正念場だ。本人はまだまだやる気に満ちていて、レースにイベントに、精力的にスケジュールを消化している。9月にはカナダでがん啓発のチャリティライドを実施。10月は中国でステージレースを走ったのちに、ジャパンカップに臨む見通しとなっている。SNSやYouTubeでの発信にも力を入れていて、そこで見せる姿や表情はいたって明るい。

かつてはあまりの強さにヒール扱いされることも多かったフルームだけど、やっぱり強くないととても寂しい。「フルームは不死身だった」と観る者を思わせる走りができるだろうか。ジャパンカップで、そして宇都宮で、新たなフルーム伝説の幕が開けることを期待しよう。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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