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【ジャパンカップサイクルロードレースを走るスーパースター:クリストファー・フルーム】4度のツール・ド・フランス総合制覇、今は大けがからの復活途上。宇都宮で不死鳥伝説を描けるか
サイクルNEWS by 福光 俊介圧倒的強さを誇ったスカイ時代のフルーム
そんな大事なレースに、クリストファー・フルームがメンバー入りする。過去4度、ツール・ド・フランスを制した「大物中の大物」である。
フルームの名が世界にとどろいたのは、2011年のブエルタ・ア・エスパーニャだった。当初この大会ではチームメートのブラッドリー・ウィギンスのサポート役を務めるはずだったが、あれよあれよと優勝争いへと上り詰める。ウィギンスも好調だったから、当時彼らが所属していたスカイ プロサイクリングは双頭体制で大会制覇を目指した。結果的にファンホセ・コーボにわずかな差で敗れるわけだが(のちにコーボの薬物違反が判明し、フルームが個人総合優勝に繰り上がる)、チームはもとよりサイクルロードレース界の顔となっていたウィギンスとともに、スター選手の仲間入りを果たしたのだった。
翌2012年のツールもウィギンスのサポート役は変わらず。ときにチームリーダーまでをも引き離す強さを見せたが、最終的にはチームからの指示を守り、ウィギンスのツール制覇をアシスト。しかし、この段階でもはや「フルームの方が強い」というのは明白だった。
そこからは進撃の一途である。2013年のツールでついに頂点に。2014年は落車が影響しリタイアに終わったが、2015年からは3連覇。特に2017年はツールとブエルタ・ア・エスパーニャ(ツールと同規模のスペイン最大のレース)の2冠を達成。2018年にはジロ・デ・イタリア(ツールと同規模のイタリア最大のレース)にも勝ち、すべてのグランツール(3週間にわたるステージレースで、所要時間を競う)に勝った史上7人目のライダーとなった。
2010年代半ばは紛れもなく「フルーム時代」。レースに出れば勝つ、そんな時期だった。山岳にめっぽう強く、ハイペースを維持するばかりか、アタック(急激にスピードを上げてライバルを振り切る攻撃)一撃で勝負を決める強さがあった。また、タイムトライアル(ひとりずつコースへ出て走行タイムを競う種目)も得意とし、そこで得たタイム差を山岳でさらに拡大するのが勝ちパターンだった。
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