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【Cycle*2023 ツール・ド・フランス ファム:レビュー】世代交代を象徴したトゥルマレ決戦 デミ・フォレリングが真の女王に! ファンフルーテンは6大会守ったグランツール女王の座を退く
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介霧のトゥルマレでアタックしたフォレリング
ニエウィアドマが得意の下りで加速する一方で、ファンフルーテンとフォレリングはお見合い状態に。フォレリングが先頭交代を拒否し続け、それならばとファンフルーテンもペースを落とした。
「その段階でマイヨ・ジョーヌ(コペッキー)が後ろのグループにいたので、私としては先頭交代に応じる必要はないと考えていました。チームとしてジャージを守らなければならなかったので、私ひとりでリスクを負うことは避けたかったのです」(フォレリング)
「何度も“行かないの?”と聞いたのですが、彼女は“行かない”と。“だったら私も前を追うことはしないよ”と彼女に告げて集団に戻ることにしました」(ファンフルーテン)
ニエウィアドマが1分近いリードを得て、運命のトゥルマレへ。数的優位なチーム SDワークスは、マーレン・ローセルを牽引役に立てるとあっという間にニエウィアドマとの差が縮まる。しかし、ローセルが役目を終えると再び牽制状態になり、ニエウィアドマのリードが再拡大。ジュリエット・ラブー(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ)による何度かのアタックが、精鋭グループを活性化させる唯一の手立てとなっていた。
均衡が破られたのは、頂上まで6kmを残すタイミングだった。それまで力を溜め続けたフォレリングがついに動いた。それは、ツールの女王へと向かうアタックであり、ウィメンズプロトンにおける女王の座を奪取するアタックでもあった。誰も彼女のスピードにはついていけない。ファンフルーテンでさえも。
1kmほど進んだ先でニエウィアドマをパスすると、あとは濃い霧の中をフィニッシュへまっしぐら。終わってみれば、ニエウィアドマとは1分58秒、何とか3番手で上がってきたファンフルーテンとは2分34秒の差。2日前に与えられた20秒のペナルティなどかき消してしまう、フォレリングの圧勝劇。チームメートのコペッキーからマイヨ・ジョーヌを引き継ぎ、1日を残してツール制覇が決定的になった。
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