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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第8ステージ】エヴェネプールがライバルをねじ伏せてマイヨ・ロホ堅守!2度目の難関山岳を制したジェイ・ヴァイン「今日はひたすら楽しんだんだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかその後ソレルの合流を経るも、たった2人きりになってしまった先頭グループは、続く谷間で再び10人にまで膨れ上がる。
まずは6選手が抜け出した。レイン・タラマエ、ルーカス・ハミルトン、アレクセイ・ルツェンコ、マッズ・ピーダスン、ブルーノ・アルミライルと共に、ミケル・ランダが紛れ込んでいたせいか、すぐにゴーサインは出なかった。ただし今ジロ総合3位はすでに総合で6分33秒遅れ。最終的には見逃された。
8人になった先頭集団との差が、1分に開いた頃、慌てたのがグルパマ・エフデジだ。すでにアルミライルが逃げていたにも関わらず、ティボー・ピノとセバスティアン・レイシェンバックがタンデムで追いかけ始めた。フランス個人TT王者アルミライルは、わざわざ後退して、クライマー2人を引っ張り上げねばならなかった。幸いにも追走は約13kmで実を結んだ。残り114km、2つ目の山に上り始める前に、無事に10人の逃げ集団が完成した。
カオスで始まったレースに、こうして秩序が戻ってきた。メイン集団の先頭では、クイックステップ8人全員が静かに隊列を組み上げた。逃げに決して4分半以上与えることもなかったが、かといって急速にタイム差を詰めることもなかった。
「谷間ですごく良い集団が出来上がった。グルパマが3人も入ったし、クイックステップはコントロールに終始していた。だから、この時点で、決めたんだ。よし、それほど苦労せずに山岳ポイントが取れそうなら、取りに行こう、とね」(ヴァイン)
決意通りに、ヴァインは着々と山岳ポイントを積み上げた。ピノやソレルも興味がないわけではなさそうだったが、かといって山頂スプリントを挑むこともなかった。結局ヴァインが6つすべての山岳を首位通過し、このステージだけで計29ポイントを収集。通算40ポイントで堂々たるキング・オブ・マウンテンの座に立つ。
こんな山だらけの1日に、ピーダスンだけはキング・オブ・スプリンターのジャージを追い求めた。前日チーム一丸となり猛烈に働いたのに、逃げを吸収することも、メイン集団内のスプリントを制することも出来なかった。ならば、逃げに乗って、念願を果たすまでだ。7月のツール第13ステージでは逃げて勝ったが、この日は、逃げて中間ポイントを取りに行った。5つの峠を先頭集団で耐えしのぎ……残り26kmの中間スプリントで、晴れて先頭20ポイント獲得。2日目からポイント賞を堅守してきたサム・ベネットを、5ポイント逆転し、147ポイントでマイヨ・ベルデをもぎ取った。
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