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【ツール・ド・フランス2022 レースレポート:第11ステージ】ユンボ・ヴィスマによるパーフェクトな計画遂行 マイヨ・ジョーヌ奪取のヴィンゲゴー「一番望んでいるのはジャージをパリまで運ぶこと」
ツール・ド・フランス by 福光 俊介ヨナス・ヴィンゲゴー(TJV)
狙うならこの日だと決めていた。逃げに数人を送り込んで「前待ち」の戦法をとったうえで、本格山岳でエースクラスが繰り返し攻撃する。チームとしては、2人のチームリーダーどちらでも良かった。けれど、よりマイヨ・ジョーヌの可能性があり、落車や疲労による体のダメージが少ない方が優先されるべきであることは、みんな分かっていた。
8人が意思統一を図り、第11ステージに臨んでいたユンボ・ヴィスマ。ついに、ついに...UAEチームエミレーツの、いや、タデイ・ポガチャルの王朝を崩すことに成功。超級山岳グラノン峠でアタックを決めたヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)が、ライバルに大差をつけて頂上のフィニッシュへと到達した。
「スタートからフィニッシュまで、どう動くべきかみんなで計画を立てていたんだ。プリモシュ(ログリッチ)と一緒に、大きな成果を得ようと全力を尽くした。成功するまで多くの時間がかかったけど、チームメートがいたからこその今日のレースだよ」(ヨナス・ヴィンゲゴー)
アルプス3連戦の2日目。30年前に冬季五輪を開催したアルベールビルを出発したプロトンは、中盤以降に上級山岳を立て続けに上る。1級山岳テレグラフ峠(登坂距離11.9km、平均勾配7.1%)の後すぐに、おなじみの超級山岳ガリビエ峠(17.7km、6.9%)へ。標高2642mまで達したら33kmのダウンヒルを経て、最後にそびえるは超級グラノン峠。登坂距離11.3km、平均勾配9.2%の上りは、1986年にベルナール・イノーが絶対王者の地位から陥落した場所でもある。
そして“21世紀の絶対王者”も、この地で屈することになる。
レースは序盤からユンボ・ヴィスマ勢が果敢に動いた。スタートアタックでマイヨ・ヴェールを着るワウト・ファンアールトが飛び出す。そこに乗じたのは、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)。幼い頃からシクロクロスで鳴らし、常に世界の頂点を争ってきた2人が、ツール・ド・フランスという舞台でもランデヴー。
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