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【Cycle*2021 UCI世界選手権大会 男子エリート ロードレース:レビュー】燃えるような脚と、冷静な頭脳。最後は本能が赴くままに自分の走りを貫いたアラフィリップ「たとえ負けたとしても、華やかな走りがしたい」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか1年前は観客のいないイモラサーキットへ単独で駆け込んだ。今年は鈴なりのファンたちの歓声を煽りながら、世界の頂点に立った。ジュリアン・アラフィリップが、史上7人目の世界選手権連覇を成功させた。
連覇を成し遂げたジュリアン・アラフィリップ
「1年前に世界選を勝ち、1年間ジャージを着続けたのは、本当に信じられない経験だった。レインボージャージを輝かせようと努力し続けたし、自分がジャージにふさわしいレベルの選手であるよう、常に奮闘した。同時にそれは多大なエネルギーを要することでもあって、だからこの1年が終わったことに、ほっとしていた部分もあったんだ。今日からはようやく新たな目標を追い求められる、そんな気分だった。それでも、頭の片隅には、自分の立場に相応しい走りをしたいという思いもあった。そして僕は、その通りの走りを行った」(アラフィリップ)
こうして虹色を取り戻したアラフィリップは、フィニッシュラインでフランスのチームメートたちと喜びを分かち合った。TV実況席から走り出してきた妻マリオンさんとは熱い抱擁をかわし、ライバルであり友達でもあるスティバルやファンデルプールと健闘を称え合った。表彰台の上では、ファンアールトの優勝を願って詰めかけた大勢のベルギーファンたちと共に、クラッピングを楽しんだ。大好きな自転車レースを、大好きなやり方で勝てたことが、アラフィリップにとっては至上の喜びだった。
「僕は動きのあるレースが好きで、アタックが好き。虹色ジャージを着ていると、誰からもマークされるし、みんなが潰しにかかってくる。でも世界チャンピオンなのだから、すべてのレースを勝ちにいかねばならないんだ。でも、僕は、自分を変えようとは思わない。ロボットのような走りはしたくない。アタックし続けたい。楽しみ続けたい。たとえ負けたとしても、華やかな走りがしたい。うん、時には負けるだろう。いや、たくさん負けるだろう。でも僕は勝つためにすべてを尽くす。心をこめて。そんな走りがアルカンシェル姿で見せられたら、さらに美しいものとなるだろうね」(アラフィリップ)
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