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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第17ステージ】豪華な2人のクレイジーな冒険!圧巻の強さを披露したログリッチを気高きベルナルも称賛「彼は勇敢だった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか残り1kmのアーチをくぐり抜けた先で、この6人は、ベルナルをも回収した。そのままフィニッシュへも、一緒になだれ込んだ。麓で1分半だったログラからの遅れは、全長12.5kmの山道を終えた時にも、1分35秒のままだった。締めくくりにログリッチの補佐役クスが、山頂スプリントで2位のボーナスタイム6秒をきっちり潰すことも忘れなかった。
圧倒的な強さをみせたプリモシュ・ログリッチ、今大会3勝目
後ろを振り返らず、ただ前へ前へと走り続けたログリッチは、山頂で雄叫びを上げた。61kmの長い闘争、7.5kmの独走の果てにつかんだ今大会区間3勝目。3度目のブエルタ出場にして、早くも通算8つ目のステージ優勝を手に入れた。
しかもペダルでライバルたちを1分35秒突き放した上に、フィニッシュでボーナスタイム1位10秒を、途中の山頂でボーナス2位2秒を懐に入れた。総合2位浮上のマスに対するリードは2分22秒に、3位ロペスとの差は3分11秒に開いた。モビスターコンビにとってはむしろ、3分46秒差の4位ヘイグとの表彰台争いのほうが切実だ。「30分以上のグルペットで終わることを覚悟していた」マルタンは、被害を食い留め5位4分16秒差。続いてイネオス2人組が、6位ベルナルが4分29秒差、7位イエーツが4分45秒差と僅差で並ぶ。
もちろん2019年に12日間、2020年には13日間着用し、今大会も1週目にすでに6日間(2日間+4日間)袖を通してきたマイヨ・ロホも、ログリッチは当然のように取り戻した。大会も残り4日。もはやこの大切なジャージを手放すつもりはないはずだ。
「すごく楽しんだ。天気だけはベストじゃなかったけど、最高の1日だった。総合のリードは決して十分とは言えない。それでもいいタイム差だ。いずれにせよ明日はクイーンステージが待ち受ける。明後日に向けて十分な差かどうか、そこで判明するはずさ」(ログリッチ)
ところでグリーンジャージのファビオ・ヤコブセンは、最終グルペットで無事に1日を終えた。ログリッチが中間2位17pt、フィニッシュ1位20ptを収集したせいで、ポイント賞のリードは一気に105ptに少なくなった。また5選手が大会を離れた。大会5日目にマイヨ・ロホを着用したケニー・エリッソンドと、この日アタックで魅せたランダも、最終日まで4日を残し帰宅を選んだ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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