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サイクル ロードレース コラム 2021年9月2日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第17ステージ】豪華な2人のクレイジーな冒険!圧巻の強さを披露したログリッチを気高きベルナルも称賛「彼は勇敢だった」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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沿道のファンに後押しされるログリッチ

沿道のファンに後押しされるログリッチ

「なにも考えていなかった。ただ一緒に飛び出しただけ。それがレースっていうものさ。その後はたしかに少し考えた……。わぉ、まだかなり先は遠いし、終わりには厳しい山が残っているぞ、とね」(ログリッチ)

側に付き添っていたセップ・クスは反応しかけたが、脇目も降らずに突進していくリーダーを見送ると、後方待機に切り替えた。かつてジロでクリス・フルームの80km独走勝利をお膳立てしたワウト・プールスは、総合6位ジャック・ヘイグのためにスピードを上げかけたが、すぐに正気に返った。モビスターダブルリーダーの片割れ、総合5位ミゲルアンヘル・ロペスだけは後を追いかけた。しかし「このまま単独での追走は不可能だ。努力を続けるべきではない」と判断。もう1人のエース、総合4位エンリク・マスのもとに戻った。

それぞれ2つずつグランツールタイトルを持つ王者2人は、クレイジーな冒険へと突き進んだ。ベルナルは毅然と先頭を引き続け、ログリッチは黙々とペダルを回した。飛び出してから5km先の山頂では、後続のライバルたちに早くも45秒のタイム差をつけた。

しかも下りきった先で、差は2分20秒差にまで広がる。次第に強まっていく雨脚も、2人の勢いを削ぎはしなかった。むしろ5月のジロでも、ひどい悪天候の中で凄まじいダウンヒル勝利をさらい取ったベルナルは、この日も下りを果敢に攻めた。当初はひたすら後輪に張り付いていただけのログリッチも、いよいよ先頭交代の協力を始めた。

ちなみに、まるでアイスリンクのようになった下りで、エイキングのマイヨ・ロホ保守の夢はもちろん、表彰台圏内に踏みとどまる望みも完全に断たれた。上りでは2人に対して1分50秒遅れ、総合2位ギヨーム・マルタンやマスのいる集団に1分5秒遅れたが、「最後まで望みを捨てずに」下りへと飛び込んだという。しかし残り約50km。手前で落車していた数人に倣って、エイキングも路面に滑り落ちた。すぐに立ち上がり、走り出したものの、失われた時間は多すぎた。ログリッチから9分23秒遅れで1日を終え、フィニッシュ地では、7日間着続けてきたマイヨ・ロホを脱いだ。総合順位は11位に後退した。

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