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サイクル ロードレース コラム 2021年7月10日

【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第13ステージ】偉大なる「カニバル」の記録に並ぶ歓喜の勝利!カヴェンディッシュ「苦しんで手に入れた1勝であり、思い出深い1勝だ」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「ボーイズは信じられない仕事をしてくれた。ひどい暑さと風の中、220km近く走った後だったから、僕はもはや死にかけだったよ。でも僕はスプリントしなければならなかった。だってチームのみんなが、僕のために、あれほどまでに働いてくれたんだから」(カヴェンディッシュ)

ガルシアを抜き去り、追いすがるフィリップセンを躱し切った。極めてシンプルなガッツポーズで、カヴは今大会ステージ4勝目、そしてツール区間34勝目を手に入れた。自分の背後でモルコフがハンドルを投げ、区間2位に飛び込んでいたことを知った時、喜びは一層大きくなった。

小さなガッツポーズでフィニッシュラインを越えたカヴェンディッシュ

小さなガッツポーズでフィニッシュラインを越えたカヴェンディッシュ

「チームがいつ何時も僕のために力を尽くしてくれることは、大いなる幸運だ。それがプレッシャーにもなる。時には辛く感じることもある。でも今日のように……発射台役とワンツーフィニッシュを決めるというのは、ひどくスペシャルな気分さ。素敵な勝利だよ。苦しんで手に入れた1勝であり、思い出深い1勝だ」(カヴェンディッシュ)

2008年7月9日に人生初めてのツール区間勝利を手にしてから、ちょうど13年。175人の大集団スプリントから8人の小集団スプリントまで、ひたすらスプリントだけでカヴェンディッシュは勝利を積み上げてきた。チームは6回変わり、その5つでツール区間勝利の歓喜を味わった。専用発射台もマーク・レンショー、ゲラルド・ツィオレク、ベルンハルト・アイゼル等々と顔ぶれを変え……。

「今まで僕のために走ってくれた全てのチームメートと、この記録を分け合いたい。問題は明日以降もまだまだやるべき仕事が残っていること。今のところこの記録について頭を巡らせる時間はないんだ。でも『僕ら』が成し遂げたことについて、『僕ら』が作った歴史について考える時間は、この先の人生にはたっぷりあるだろう」(カヴェンディッシュ)

ちなみにカヴ曰く「史上で最も偉大な男性自転車選手」のメルクスは、フランス日刊紙『パリジャン』に「彼は非常に素晴らしい選手。しかも難しい年月の後に復活してきた。脱帽だ!彼に対して大いに敬意を表したい」と発言を寄せている。

今大会5度の大集団スプリント中、4つで勝利をつかんだカヴェンディッシュは、マイヨ・ヴェール争いでも2位以下に101ptという大量のポイント差を押し付ける。そして総合2位以下にやはり5分18秒という大量のタイム差を有するマイヨ・ジョーヌのポガチャルは、マイカの落車負傷に心を痛める以外は、極めて快適にスプリントステージを終えた。

「明日はハードな1日となるだろう。どんなことも起こりえる。もしかしたらスタート直後から大きな逃げが飛び出して行くかもしれない。とにかく僕らはピレネーに挑みかかり、マイヨ・ジョーヌを守る準備は出来ている」(ポガチャル)

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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