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【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第7ステージ】モホリッチが最長区間で涙の独走勝利!型破りな走りでマイヨ・ジョーヌを守ったファンデル・プール「結果には最高に満足してる」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「結果には最高に満足してる。また1日ジャージを守ることができたのだから。ただ僕は今大会に総合を争いに来たわけではない。それははっきりしてる。でも明日はあと1日、ジャージを守るために戦うつもりだ」(ファンデルプール)
本気で総合を争いに来た選手の中で、最上位5位につけるポガチャルとの差は、前日の8秒から3分43秒に広がった。「10分差」を与えなくなかったディフェンディングチャンピオンにとっては、上々の締めくくりだ。
後方集団内でも、ポガチャルはライバルたちの反撃を完全に封じ込めた。シニアル・デュションでピエール・ラトゥールが飛び出しを試み、なにより頂上間際でリチャル・カラパスが突撃に転じた。一昨春のジロ王者は、持ち前の力強い突進で、一時はライバルたちに30秒近い差をつける。しかしポガチャルを筆頭に総合勢が肩を並べる30人ほどの集団は、抜け駆けを許さなかった。フィニッシュ手前できっちりカラパスを回収した。
力なくフィニッシュしたログリッチ
むしろ総合ライバルが1人、思いもかけない形で脱落してしまった。シニアル・デュションの坂道で、プリモシュ・ログリッチが集団からずるずると後退して行ったのだ!
しかもファンアールトは前線で戦いの真っ最中で、同集団にいたステフェン・クライスヴァイクとヨナス・ヴィンゲゴーは、それぞれに自らの立場を守るために奮闘中。つまりログリッチには、最後まで牽引してくれるアシストも、並走してくれる仲間もいなかった。大会3日目の落車で、「ミイラ男」と呼ばれるほど全身傷ついた昨大会総合2位は、最終的にはモホリッチから9分03秒、メイン集団から3分48秒遅れで苦難のステージを走り終えた。総合ではファンデルプールから9分11秒遅れ、ポガチャルから6分10秒遅れ。ログリッチが2年越しで抱く総合優勝の夢は、大きく遠ざかった。
そして翌日からいよいよツール一行はアルプスへと分け入る。せっかく夏らしくなったフランスの空は、残念ながら、再び雨雲に襲われるとの予報だ。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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