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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第16ステージ】ライバルの努力も希望も打ち砕く王者の一撃!エガン・ベルナル「今日はなにかスペシャルなことがしたかった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかブシャールが山頂で望み通りに18ptを回収し、少なくとも2回目の休息日を青ジャージで過ごすことを確定させた直後の、ダウンヒルでさらに展開は加速する。ニバリ、フォルモロ、アルメイダの3人が、ゴルカ・イザギレ、アントニオ・ペドレロ、アマヌエル・ゲブレイグザブハイアーと共に前へと抜け出したのだ。濡れて滑りやすくなった路面を利用して、他の逃げ選手たちとの距離を瞬く間に開いた。
はるか後方ではイネオス・グレナディアーズが、いつも通りに黙々と牽引作業に勤しんだ。前日は17分も逃げ集団に与えたマリア・ローザ親衛隊だが、さすがに強豪揃いの6人に、大きなタイム差を許すことはできない。差が最大6分にまで開いたところで、少しずつきっちりと縮めていった。
「僕らはレースをしに来ている。だから長ければ長いなりに、短ければ短いなりに、やるべきことをやっただけ」(ベルナル)
ところがステージが残り50kmを切り、差が4分半程度に減った時点で、EFエデュケーション・NIPPOが集団制御権をむしり取る。ジャウ峠へ向け少しずつ登り始めていた道で、総合5位ヒュー・カーシーを背負い、走行リズムを急激に上げる。前方6人との距離を急速に縮めつつ、メイン集団から弱者を次々と蹴落としていく。
まずは残り35km前後。いまだジャウ峠の「正式な」登坂口にたどり着く前に、総合7位レムコ・エヴェネプールの集団脱落が確認された。21歳の神童は、昨8月の大落車からの9ヶ月ぶりの復帰レースにして、生まれて初めてのグランツールで、センセーションは巻き起こせなかった。最終的にはこの日だけで24分05秒失い、総合19位へと一気に陥落。当夜の時点では、本人は「最後までジロを走りたい」と表明している。
残り30km前後では、総合4位アレクサンドル・ウラソフが失態を犯した。雨具を脱いでいる最中に袖がホイールに挟まり一旦停止。チームカーから慌ててメカニックが飛び出してきて無事に解決するも、再び走り出したころには「かなり離されていた」。
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