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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第16ステージ】ライバルの努力も希望も打ち砕く王者の一撃!エガン・ベルナル「今日はなにかスペシャルなことがしたかった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかしかも登りで大きくライバルたちを突き放し……山頂でカルーゾに45秒、ロマン・バルデに1分13秒のタイム差をつけていたおかげで、17.5kmのダウンヒルは心静かにこなすことができた。十分にリードをつけていたおかげで、フィニッシュラインに駆け込む前には、雨具を脱ぎ、きちんと丸めてジャージの背中に詰め込む余裕さえあった。美しいマリア・ローザ姿で、ベルナルはウィニングフォトに収まった。
ベルナルから27秒後、バルデとカルーゾがフィニッシュラインに飛び込んだ。「自分の大好きな走りをするために寒い日を待っていた」という前者は「すごく楽しかった!」と満面の笑みを見せ、「最後に残った集団内ではベルナルを除き僕が一番強かった」と後者は自信を強めた。
またチッコーネは1分18秒差、カーシーは1分19秒差、アルメイダは1分21秒差でそれぞれに奮闘を締めくくった。ベルナル加速の直前までは、ライバル集団からほんの15秒ほど後ろを走っていたウラソフは、最終的に2分11秒遅れで1日を終了。山頂通過時点ですでに2分40秒の遅れを喫していたイェーツは、フィニッシュラインでは2分37秒遅れだった。
マリア・ローザを誇らしく見せつけるベルナル
ベルナルは8回目のマリア・ローザ表彰式を楽しみ、その8日間でエヴェネプール→ウラソフ→イェーツと入れ替わってきた総合2位の座には、新たにカルーゾが飛び込んだ。人生14回目のグランツールを戦い、2015年ジロでは総合8位の経験を持つ33歳は、生まれて初めてグランツール上から2番目の位置につける。昨ジロでもペイヨ・ビルバオの総合争いを支えた新城幸也にとっては、忙しくも充実した3週目がやって来る。
最終峠でライバル数人を振り払った甲斐あって、カーシーは3位浮上。ウラソフは4位の差を堅守し、イェーツは5位に陥落した。今ステージ好走のバルデは総合7位にジャンプアップ。首位とは5分02秒差とすでに遅れは大きいが、総合3位までは1分22秒差。「表彰台ならまだ狙える」と意気込む。
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