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【速報 ジロ・デ・イタリア2024】フィニッシュ手前3kmの無印峠でポガチャルを追いかけたナルバエスがステージ優勝/第1ステージ
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「ラスト2kmで、ようやく実感したんだ。『ああ、これだ!とうとうやったんだ!』ってね。そして、ちょっとだけ集中力を失っちゃった」(クリス・フルーム)
アフリカで生まれた史上初めてのマイヨ・ジョーヌは、真夏のまばゆい光のように、キラキラとした笑顔をふりまいた。セムノス峠の山頂では、走り終わった選手たちを、360度に広がる壮大なアルプスのパノラマが迎え入れた。記念すべきツール・ド・フランス100回大会も、ほぼ終わり。ラストチャンスに懸ける挑戦や、ドラマチックな逆転劇を経て、総合表彰台や各賞ジャージを巡る争いは全て決着を迎えた。
125kmの極めて短いステージは、ゼロkm地点のピエール・ローランのアタックから始まった。赤玉に身を包んではいるものの、本物の山岳ジャージには1pt足りない。「ほぼチャンスはないと思うけれど……、それでも、わずかながらにチャンスはある。正直に言うと、ジャージが欲しい」と、前夜に漏らしていた誇り高きフレンチクライマーは、3日連続の攻撃に打って出た。
9人の選手が、最後の山岳エスケープの企てに乗った。腹の中に異なる思惑を秘めながらも(山岳賞やチーム総合、後方のリーダー支援、もちろん単純なる区間勝利も……)、10人は同じゴールを目指した。各山頂ではローランが山岳ポイントを回収し、時には5pt差で後を追うミケル・ニエベのチームメート、イゴール・アントンに邪魔されながらも……、「暫定」ではあるものの山岳賞トップにも躍り出た。
「今日はシリル(・ゴチエ)が一緒に前に来てくれたから、2人で全力を尽くした。でも昨日の逃げの疲れが、脚に重くのしかかっていたんだ。それでも強く信じて戦い続けた」(ローラン)
ところがゴール前60km、1級モン・ラヴァールの麓で、イェンス・フォイクトが前集団から飛び出した。約2ヵ月後に42歳を迎える大ベテランも、やはり2日前のラルプ・デュエズに続く逃げへの挑戦だった。そして、たった1人で、山道につめかけた観客の間を、大声援を受けながら走り抜けて行く。ローランはBMCレーシングチーム勢(逃げのマークス・ブルグハートに、プロトンから飛び出してきたフィリップ・ジルベール&ティージェイ・ヴァンガーデレン)と共に追走を試みるが、年を重ねてもなお衰えぬ強脚ルーラーを、いつまでたっても捕らえることができなかった。それどころか、後方から猛スピードでメイン集団が迫ってくる。結局は最終峠に突入する前に、ローランは「自らの判断で、ペダルを漕ぐ脚を緩めた」。
「もはやクリス・フルームやナイロ・クインターナと渡り合うだけの体力は残っていなかったんだ。山頂フィニッシュのポイント2倍システムは、今年のボクには不利に働いた。大逃げ選手よりも、むしろ総合上位選手やピュアクライマー向きのシステムだよね。でも、しょうがない。それがルールなんだから」(ローラン)
それでも、ローランやチーム ユーロップカーのチームメートは、胸を張って、2013年ツールを締めくくる。「確かに、結果は出ませんでした。でも、ボクたちは、何もしなかったわけじゃない。少なくとも挑戦はした」と、新城幸也が山の上で語ったように。
さて、そのフォイクトも、最終峠の上り開始直後に、集団に先頭の座を譲った。ツール参加16回、区間勝利2回(+チームTT1勝)、マイヨ・ジョーヌ着用2回。この日は敢闘賞として表彰台に上がり、パリでは赤ゼッケンをつけて走る。ファンやツール・ド・フランスへの、ちょっと粋な「アデュー(永遠のサヨナラ)」となりそうだ。
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