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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第18ステージ】ログリッチのもとに訪れた美しき栄光の日「See you next year(来年また会いましょう)」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかプリモシュ・ログリッチ
写真判定にもつれ込む接戦で、2020年ブエルタ・ア・エスパーニャは大団円を迎えた。パスカル・アッカーマンはフィニッシュライン上で両手を1度も上げられないまま、しかし堂々たる区間2勝目を手に、笑顔でシーズンを締めくくった。プリモシュ・ログリッチは2年連続マドリードに赤いジャージで帰り着き、2年連続UCIランキング年間1位も確定させた。
「チームメートたちに心からお礼を言いたい。今日のリードアウトは最高だった。こうしてシーズンを勝利で締めく来ることが出来て、本当に幸せだ」(アッカーマン)
長くて、短くて、ぎゅうぎゅう詰め。こんな不思議な1年が、ついに最終日を迎えた。1月下旬にオーストラリアで始まったロードレースシーズンは、3月14日のパリ〜ニース7日目で、慌ただしくいったん中断された。その後に続いた長く暗いロックダウンの時期を経て、多国籍プロトンが再びワールドツアーを走り出したのは、8月1日からでしかない。再開からブエルタ最終日までの100日間で、実にワールドツアー92レース(+世界選手権+欧州ツアー多数)が無事に開催された。
「新型コロナウイルス危機のせいで、2020年はかなりスペシャルな年だった。だからみなさんの健康を祈りつつ、レース主催者たちの努力に感謝したい。それから、すべての選手にもありがとうを言いたい。特にチームメートたちに。みんなのおかげで僕はベストを尽くせたんだ」(ログリッチ)
それにしてもグランツール最終日がシーズン最終日に重なるというのは、極めて特別だ。3週間の健闘をライバルたちと称え合い、シーズン序盤から積み重ねてきたあらゆる努力を、チームメートたちとしみじみ振り返る。マドリード郊外の競馬場から走り出した142人の選手たちは、そんな贅沢な時間を過ごすことが出来たに違いない。
なにより人生2度目のグランツールを走り終えたアッカーマンは、朝から興奮していたらしい。だって2019年ジロは区間2勝でポイント賞マリア・チクラミーノを獲得したけれど、肝心の最終日は個人タイムトライアル。つまりパレードランも、最終スプリントもなし。「ジロはちょっと寂しかったから、今日は思いっきり満喫するよ!」と、すべてを楽しみ尽くすつもりだった。
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