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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第16ステージ】マグナス・コルトニールセンが4年ぶり3度目のブエルタ区間勝利!「復活勝利を飾れたのは、大きな意味を持つ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか混戦を極めたフィニッシュシーン
30人ほどに小さくなった集団で、最も速かったのはマグナス・コルトニールセンだった。ほとんどのスプリンターが脱落していった中で、4年前には最終日マドリードの大集団スプリントを制した俊足が、自慢のスピードを披露した。またマイヨ・ロホであり、グリーンジャージでもあるプリモシュ・ログリッチは、スプリント2位でまんまとボーナスタイム6秒を手に入れた。
「今朝は勝てるなんて夢にさえ見ていなかったよ。スタートしてからもしばらくは考えてなかったし、勝てるという自信もなかった。でもこうして勝利を手にできたなんて、素敵だね」(コルトニールセン)
クライマーでもピュアスプリンターでもない選手にとっては、間違いなく2020シーズン最後のチャンスだった。しかも地形的にはどんな展開に転んでもおかしくなさそうな、なんとも悩ましいコースだった。
逃げ切りにかける男たちは、スタート直後から激しくアタック合戦を繰り返した。特にブルゴスBHが積極的に動いた。昨大会で1勝を上げたアンヘル・マドラソがまっさきに飛び出し、すぐさま同僚のフアン・オソリオが合流した。しばらく先でレミ・カヴァニャとロバート・スタナード、コービー・ホーセンスが追走を始めると、ブルゴス3人目の男ヘスス・エスケラも仲間に加わった。
30kmほど走った先で、ついに6人はひとつの塊を作り上げた。ブルゴスが3人も滑り込んだ逃げ集団は、メインプロトンから最大5分半のリードを奪った。
後方ではまずはボーラ・ハンスグローエが牽引に打ち込んだ。総合7位フェリックス・グロスチャートナーによると、どうやら「横風分断」を仕掛けるタイミングを待っていた。しかし決して集団を破壊するほどの風は吹かなかった。タイム差コントロールには、UAEチームエミレーツやカハルラル・セグロスRGAも協力した。
ステージ上に2つ待ち構えた山岳の、1つ目の2級峠の山頂間際に差し掛かると、今度はイネオス・グレナディアーズが主導権を奪い取る番だった。「トリッキーな下りだと分かっていたから」とのディラン・ファンバーレの証言通り、15kmにも渡る下り坂はヘアピンカーブの連続。舗装状態も悪かった。つまりイネオスの加速の第一目的は、総合2位リチャル「リッチー」カラパスを安全に運ぶためだった。
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